第7話 ギルマス登場しかも勧誘
それってすごいの?
ってか魔法俺も使えるんだ!!
『お主、我と契約できた時点である程度の魔力は持っているのだろうと思っていたが、♾とは……。一体何者だ?』
「いやー、しがない生粋のモブだった営業マンだよ、」
魔力♾ってことはどれだけ魔力使っても大丈夫ってことだよな。やべーじゃん。
「す、すみません!少々お待ちください!」
受付のお姉さんは慌てたようにどこかへ行ってしまった。
お姉さんを待っていると3人の男がこちらに絡みに来た。
「おいお〜い、兄ちゃん不正してんじゃねぇの?」
「商人がスキル全属性魔力♾なんて有り得ないだろ〜」
「そんなのありえるのは魔道士様ぐらいだぜ!」
どうやら俺の測定結果に文句があるらしい。
文句を言われようとも今俺が1番驚いている。
しかも測定なんて手をかざすだけなのに不正できるわけが無いだろ。
「俺は不正なんてしてねぇよ。たまたま俺にその魔道士様とやらの素質があったってだけだ。」
「こいつ…!喧嘩売ってやがる!!」
「舐めたこと言いやがって!俺たちは冒険者だぞ?喧嘩を売る相手を間違えるなよ?」
「俺は間違えていないぞ。本当のことを言ったまでだ。」
「この野郎っ……!」
なんと幼稚な頭だろうか。
この程度の煽りで殴りかかってきた。
冒険者ってのはこんなにもアホなのか?
商人ギルドで問題を起こせばどうなるかこの俺でも分かるってのに。
そう。俺に絡みに来ていた冒険者たちを商人たちは冷たい目で見ていたのだ。
きっとそれはこいつらとは取引しない方がいいな、という商人達の意思だ。ひしひしと伝わってきた。
俺でも分かったというのにこの冒険者を名乗る男たち3人は気づいていない。
「馬鹿やる相手は間違えるなよ?俺たちCランクパーティ“牙狼の
そう言って俺に襲いかかってきた。
その時。
「何をしておる!!!!!!」
身長180cmは超えているであろうガタイのいいオッサンが奥の部屋から出てきた。
「げっ…!ギルマス…!」
「なんでここに……!」
「知ったこっちゃねぇぞ!黙れ!クソジジイが!!!」
するとそのガタイのいいオッサンは冒険者3人をシバキあげ、最後の一人にむかって
「誰に黙れとかクソジジイとか言ってんだ?あぁ?てめぇのせいでこっちの依頼も上手くいかないかもしれねぇんだぞ!!少しは反省しろ!」
と大声で言い、衛兵を呼んで連れていかせた。
一連の騒動を見ていたギルド内の人達からは歓声と拍手が起こった。
「すまないな。騒がしくしてしまって。」
オッサンが出てきた奥の部屋から優しそうな男がそう言った。
「アイツらにはほとほと呆れ果ててた所なんだ!ちょうど良かったぜ、ありがとうな青年!!!」
と、バシバシ俺の背中を叩きガハガハというように笑っているオッサン。
「俺は冒険者ギルドのギルドマスター、レオニードだ!!こいつはこの商人ギルドのギルドマスター、オリバーだ。」
商人ギルドのギルドマスターはおっかないって聞いたけどこの優しそうな男が?
どちらかと言うとこのガタイのいいオッサン……冒険者ギルドのギルドマスターレオニードの方がおっかなそうだ。
「受付のレオナさんから聞いたんだけど、君全魔法適正ありの魔力♾だって?」
「あー、らしいですね。」
「なんだって!?素晴らしいじゃないか!!!是非我ら冒険者ギルドへ来ないか!?」
レオニードから冒険者ギルドへ勧誘された。
しかし俺は商人としてやっていくと決めてるし…
「ありがたいお話ですけど俺は商人やりたいんで遠慮しときます。」
「なに…!……じゃあ掛け持ちでどうだ??」
ギルド掛け持ちって許されるの?
冒険者は冒険者、商人は商人じゃねぇのか?
「お前なら冒険者として魔物を狩ったり薬草を採取しながら商人として売ったりできるだろう!」
「一般的な商人は魔物を狩ったり薬草を採取したりしないのか?」
「普通は
「つまり、言っちゃ悪いが商人ギルドは栄えていないってことか?」
「…ふふっ。ズバッとものを言うね。まぁそういうことだ。街でも商人より冒険者の方が需要が高くてね。ほら、農作物なんかは国民でも自給自足して売ることができるし、奴隷は貴族向けだからね。」
なるほど。それでこのギルドはあんなおんぼろ屋敷のような外観なのか。内装も外観に比べりゃマシってだけで古いのは古いしな。
「で、どうだ!我ら冒険者ギルドに登録して商人兼冒険者にならないか?」
「…分かった、分かったよ。冒険者なればいいんだろ。」
「よし!そうと決まったら早速行こう!!名前はなんだったか?」
「……レイ・シルヴァだ。」
「よし!レイ、行くぞ!!!オリバーまた来る、じゃあな!!!」
そして俺は冒険者ギルドまで連れ去られた。
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