漂白日和
ピントの合わない景色はまるで真実のように見えた。買わないことを選んだポーチの縞模様をした朝焼け。せわしない、声、相槌、声、振り返らない。グラスのふちに指をつっこむ。丸い爪が歪んで整えられる、肌が平らになっていく。僕たちがついてるよってくれる勇気が、海を背景に団地になってて漂っとくしかなかった、午前四時
落書きされることのなくなった
公衆電話の黄緑色は誰かをつな
ぎ留めるには頼りなかった
テレビ。柘榴。排気ガス。天気予報
繰り返す度に閉め出されたと言う私
は温かな電球を追悼する。
白光、焦燥、霧雨、防音。
ピンホールの先に映った街の荒野で
、手を振って笑いかけてい
る。クラクションが響
く、子どもの跳ねる声
がした、階段裏、
現実と願望だけが意
気投合して
、濁ったまま
の感情がひと
り、取り
残さ
れ
た
いつまでも終わらない街の端に何度も繰り返し出会っている。誰もがひとつずつ水族館をかぶるようにして歩いている。眩しさのなかの静かな視点から逃れたい気がした。お前を雑に扱って後悔したいような気がした。後悔できなきゃ嘘だよって、輪郭の揺らぎを背景にして、水槽のガラス越しに私は自分の顔を失って、正しいところと、悲しいところと、美しいところを、順番に、失って
そうやって、瞼の裏に焼き付いた鮮やかな刺激だけを探し求めて、喜ぶ
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