安寧

 悲しくなると君のこと思い出すよ。山より海より川辺で冷たいゼリーの妄想したい。破滅しそうな音のなかで、脈が空気と一体化して、初めて見えた気がした、眩暈とともに。怖そうな、忘却、みんな、弾けていてほしかったし、振り回されてほしかった。ピンク色のクマが、鞄の横でいつも揺れていたスーツケースを詰め込んだ飛行機が離陸して見えなくなる。寂しかった。そのことに安堵しながら手を振っていた


 なめらかな夢の話をブルーライトにのろのろ溶かす、混ぜる、味見したら無味。海とピアノが好きで素晴らしいね。わかり合うぐらいならあなたが私になって。聞いてみてほしい歌だけは口ずさまない、独り言の大きさが、クラスでいちばんかわいい子を決めていた


 別れたから永遠ね。何もかも求めなきゃいけない、誰のことも嫌いだなんて、誰かが見ていてくれないと言えない。寝ないで起きてて。悲しむより怒ってて。飲み込んだ泡は私たちを川底に連れて行くから、幸せ以外のこと誰も気にしなかった。医者になりたいと思いたかった人生でした。政令指定都市に嫉妬なんかしたくないけど、息を吸って。結婚したらいいと思うよ。私は知らない街を好きになりたいです。

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