第47話 ハンバーグ     2023.12.22改定

 47 ハンバーグ


 浄化したゴブリンを土に埋めたらちょうどお昼になった。


 ゴブリンは全部で534体

 ホブゴブリンは36体

 ソルジャーは8体


 ゴブリンの魔石はひとつひとつはお金にならないが、ローザさんは魔石をまとめることができるらしくて、ソルジャーの魔石くらいの大きさの物が、6個できた。1個銅貨30枚くらいで引き取ってもらえるらしい。

 

「普段は面倒だからやらないけど、これだけいればなんかもったいないじゃない」


 そうローザさんが笑って言う。


 沸いたお湯で、みんながそれで顔や体を拭く。返り血やら砂埃やらでみんな汚れていた。体をきれいにしたら昼食だ。


 最初に焼いた肉は少し固かったけど、それでも香草のいい香りがして美味しく食べれた。

 スープもみんなに好評だ。急いで作って良かった。


 リックさんが僕たちが持参した白米を興味深そうに見ていたので、僕の分を半分あげて、代わりにパンを1個もらった。


 リックさんはパーティの食事係をしてるそうで、米の炊き方を教えて、精米したお米を10キロあげた。リックさんはお金を払うと言ったが、それは断った。10キロでも銅貨4枚程度なのだ。こないだまとめ買いしたから多分もっと安い。

 

 ガンツに精米器を作ってもらってよかった。

 またお米をまとめ買いしておこう。


 後片付けは僕がやって、みんなは森を捜索に行った。徹底的に殲滅することという指示だったので、一応確認だ。

 

 そうしてると遠くの方からかすかに勝鬨の声が聞こえてくる。


 みんなが急いで森から出てきた。


「急いで帰るよ。アイツらより先に換金しちまいたいからね」


 帰りも全力で走ってギルドに戻る。

 

 ゴブリンの報酬は全部で金貨3枚以上になったそうだ。

 討伐依頼料は1人銀貨8枚

 依頼料と合わせたら銀貨50枚以上。2人合わせたら金貨だ。


「あいつらがこないうちに逃げるぞ」


 そうセシル姉さんが悪い顔で言った。

 メインの討伐隊もおそらく同じくらいの報酬になるらしいけど、向こうは4チームで割るので1人あたりの金額はここまで高額にならない。

 

 普通キングのいる拠点の場合、ゴブリンは600体から1000体いるらしい。

 

 「今回はいてもおそらく800体くらいだな」


 そうセシル姉さんが言う。拠点のほとんどのゴブリンは僕たちで倒したのだそうだ。


「向こうはきっと悔しがってるぜ。貧乏くじ引いたなってバカにしてたからいい気味だ。あいつらになんか言われる前に場所変えて報酬を山分けするぞ」


 大丈夫かな?姉さんたちは平気だろうけど、僕は後で恨まれたりするのは困るんだけど。


 お腹も空いていないし、まずはみんなで公衆浴場で汗を流すことにする。

 夕方になるまでゆっくりお風呂に入ることになった。


 いつもより長めに湯船に浸かったら、リックさんとロビーの椅子に座り、みんなを待つ。

 10分ほど待ったら女性陣が女湯の入り口から出てきた。

 フェルとリンさんの髪を乾かして、ローザさんがリックさんとセシルさんの髪を乾かす。


「ウサギーアンタ髪乾かすの上手だわーこれなら毎日やってもらいたいなー」

 

 リンさんが上機嫌で僕に言う。

 フェルがなんだか拗ねている。

 

 違うよ。褒められて喜んでたりしないからね。


 さっき脱衣所で、報酬を分けてきたそうで、僕とフェルは金貨1枚と銀貨22枚もらった。1人銀貨61枚。なかなかの稼ぎだ。


 そのあと姉さんたちの行きつけだという店で夕食兼打ち上げになる。

 

 いかつい顔のマスターが経営するその広めの食堂は、出される料理がひとつひとつが、完璧に完成されていて、僕の作る料理よりも美味しくて、素晴らしかった。

 

 ハンバーグが出てきて驚いた。名前もハンバーグでいいらしい。


「ここはハンバーグで有名な店なんだ。マスターの顔は怖いけど料理はうまいだろ。値段もそんなにしないからたまに食べにくるといい」


 そう姉さんが言う。

 ソースは玉ねぎベースのソースとデミグラスソースの2種類で、両方食べさせてもらったけど両方とも同じくらい美味しかった。


 入り口からふらっと3男が店に入って来て、僕に挨拶してきた。3男はここの常連なんだそうだ。ガンツもライツもたまに来るらしい。


「2人とはここで飲んでなかよくなったんだー」


 そう3男が言っていた。


 その後3男を交えて宴会になる。

 姉さんに無理やりお酒を飲まされて、けっこう酔っ払ってしまった。

 フェルは飲んでもほとんど変わらなかった。


 フラフラしながら頑張って帰る。

 フェルが麦茶を入れてくれて、テントの中でそれを飲んだ。それでようやく僕も落ち着いて来た。


 その後パジャマに着替えたんだけど、うっかり着替えてるフェルの方を見てしまい、その綺麗な背中と可愛らしい胸の膨らみが見えてしまった。

 慌てて顔を背けて、フェルが着替えたらすぐ布団に潜り込んだ。


 明日と明後日は休みにすることにして、明日は2人でゆっくりすることにした。









 

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