春馬 真央 あそび


俺は頭がわるい。


のは、わかる。


なぜなら、


ー顔と名前が一致しねえ。そもそも、だれだ?


赤木は、わかる。


黄原も、わかる。


芝生、じゃない、柴原も、わかる。


ーそれ以外が、まったく、わからないんですけど⁈


修学旅行の話し合いで、俺は、ただ、メンバーをみていた。


半分も、わからない。


いや、アイツがいたら、わかるかあ。


ー神城。


なら、俺を入れたら、


5対5?


ハーフ?


ピザのハーフ&ハーフって、べんりだよなあ?


たまにジィちゃんが、おやつに俺と兄貴に奢ってくれて、兄貴はきちんと、三角に切って、味分けしてたべていた。


俺は、


ーなんで、そんな食い方するんだ?三角にしろとは、言わないけど。


兄貴があきれていた。


たんに、俺が、


ハーフ&ハーフのピザを、ピザカッターで、蚊取り線香みたいにした。


で、ちょうど半分で切って、重ねた。


だって、ハーフ&ハーフ?


ーバラバラの方が、うまくないか?


ジィちゃんが言って、たしかに、そっちが美味い。


素直に端からたべた。


ちなみに、中心から外側へより、俺は外側から切る方が切りやすかった。


細いから食べやすいし?


噛むのは、同じだけど、ある意味、オートで、違う味にかわる。


四つのあじとかだと、さらに、かわる。


ただの螺旋だけど、めちゃくちゃ面白い。


ただ、


ー食べ物で遊ぶなら、ぜんぶ、食べないさい。


親父があきれていた。


ちなみに、異世界人からは、


ー恥ずかしいから、外ではだめよ?


中心から、切ればいいのかな?


ー違う、そう意味じゃない、バカだな?お前は、ほんとうに。


兄貴がサッカーの試合の打ち上げで、そう言って、俺が使う前に、ピザを三角にすべて切った。


みんな、ふつうに三角をたべていた。好きな味だけ、選んで食べていた。


ーすごいな?兄貴。


すごいな?ピザ。


って、小学校の頃に思ってた。


ちなみに、絶対、ピサの斜塔を、


ーピザの斜塔。


そう覚えたのは、俺だけじゃないのは、わかる。


だって、


ーイタリアだろ?


まあ、


ーかつてのガリレオの実験に対して行われた異端審問の弾圧に関連してローマ法王が詫びの公式声明を塔の頂上にて行ったことも有名、らしい。


そもそも、


ー世界遺産に登録されたのは、1987年。ピサのはずれにあるドゥオモ広場に建つ、洗礼堂、大聖堂、鐘楼、墓所回廊の4つが印象的である。ピサのこのころの繁栄を象徴した建物群である。特に鐘楼はピサの斜塔として有名。


らしい。


ー地名だった。


世界遺産かあ。あんまりピンとこないよなあ。


斜めの建物が、世界?


なら、


「なに、首をかしげてるんだ?」


黄原が俺をみて、あきれている。


「いや、斜めに見るのって、むずかしいよなあ?」


「はっ?簡単だろ?いま、やってるじゃないか?」


「いや、やってないぞ?」


だってー。


「首を傾げてるなら、顔全体が斜めだよね?目だけを、斜めに固定して、歩くってむずかしいよね?」


そもそも、普通は、自分の意志が、脳の意志かでどうしても目がうごく。


いったい、どうやったら、その世界を見れるんだろう?


なんかできいたな。斜視のある子供の視界を理解したいと願っても、もうわからなかった。


ー春馬、お前の目には、世界はどう映るんだ?


いつかじぃちゃんが俺に言ってたけど、


「…お前の結論は?」


「ブランコで立ち漕ぎして、片目とじる?は、上と下ならできるよ?たぶん」


「怖くね?」


「怖いけど、それがもう当たり前になれば、ちがうんじゃないの?」


「内野と外野は?」


「公園にはないかなあ?」


柴原が肩をすくめた。


じぃちゃん?


ーたぶん、柴原は俺と同じだ。だけど、頭のできはちがうよなあ?


ブランコかあ。


「俺、苦手なんだよなあ」


「私も酔うかなあ、ちなみにシーソーもおしり痛いよね?」


「めちゃくちゃ飛ぶやつあるしなあ」


「ああ、あのジャンピングシーソー?」


「ああ、あれだ」


たまにある。体重差と作りで、


ー軽い方がめっちゃ飛ぶ。


最終的にケツいたくなる。


「そういえば、太宰府天満宮に、小さな遊園地あるみたいだよ?」


「太宰府は1日目に、行くだろ?」


「へえー。一応、興味あるんだ?」


「いや?しおりに書いてるだろ?それに学問の神様だし、あんまり福岡って、観光名所ないだろ?」


「まあ、たしかにね。さすがに学校も、太宰府天満宮に行って、小さな遊園地に学年全員でいくより、国立博物館にいくよね?」


「歴史ある遊園地って、乗り物ある意味、貴重そうだけどな」


「昔のやつの方が、トリッキーな動きするよね?」


「楽しいよな?単純だけど、いまも大人気のチョ○Qとかさあ」


「あれ、やってた?坂道を積み木で作ってさあ?羽をつけて、さ」


「めちゃくちゃ飛ぶよなあ。あとは下敷き丸めて、斜めの角度で侵入させて、下敷き途中でひらいて、坂道の角度に、着地をあわせるとか?」


「やってたよね。一回転してる途中で、プラスチックの下敷きなら反動あるから、ぱってひらくもんね。あれ楽しいよね」


「チョ○Qって、すごいよなあ」


分解して、構造はわかるけど、なんというか、改良はしなかったなあ。


あれは、そのままで攻略したいヤツだ。


「なにを攻略したいんだよ?あれ、走らせるだけだろ?」


黄原が呆れている。


「真央、なんで村上に、そんなにかまうんだ?」


赤木が俺を睨んでくる。


「あれやれば?睨んで、斜にかまえる?とか」


「意味ないだろ?」


「まあね。もともとは、剣術で相手(敵)に対して刀を下げて斜めに身構えることから、だから、逆な意味だったんだよね、斜めにとるだけ、広まってしまうのは、視覚だからかなあ?」


「刀持ってるヤツに対しての、皮肉じゃね?」


「あはは。さすが、村上。面白いね。まあまあ、そんなに睨まなくても、話はおわりだよ。あとは、自由行動で、明日菜が参加するくらいでしょ?」


「結局、神城って、一度も顔出さなかったよな?いくら用事でもバカにしてないか?」


「そう思うなら、明日菜に近づかないでね?赤木やみんなも」


柴原が俺にくるりと背をむけて、俺以外のやつらに言って、


ーなぜか後ろに組んだ手の指を2本たてた。


じゃんけん?


の、わけないよな?


ーなんのサインだ?


この場合、ピッチャーが俺で、柴原がキャッチャー?


バッターが、


ー神城か?


いや、まて、サインだけなら、柴原は、


ー監督?

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