犯罪

共犯

第7話 君の笑顔は殺(さ)せない

朝起きると、天使がいた。


そりゃそうだ。私は今、殺し屋と同棲しているのだ。



殺し屋を匿っていると言っても良い。


ある意味、共犯だ…




いや、元々共犯だったっけ。


初めてキプトと会った時は、脅されて。


初めて感謝された時は、邪魔をして。


初めてキプトの制服を見た時は、閉じ込めて。


そしてその少し前に、私が強盗をした。


今更共犯なんて、遅すぎる。

遅すぎたんだ。


もう後には戻れない。


絶対に、彼女の背中を追いかける。追いつく。そして、隣を走る。



君の笑顔は殺さない。誰にも、殺させない。



たとえ、あの輝きを敵に回すとしても。


私は、天使を少しづつ、でも確実に、蝕みつつある、あの光源に、


「キプト、私はあなたの正体を知ってるんだよ?」


彼と同じくらい残酷な笑みで睨み返した。

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