第2.5話 あなたへの気持ちを殺した(い)私の誓い

「いつもなら…」


キプトは一人、自室の布団にうずくまっていた。

何故、彼に体を委ねてしまったのか。

しかも、腕の中が心地よく、すっかり眠ってしまっていたのだ。


そして、気づいた時にはキプトは自宅の庭で眠っていた。


「ぐぬぬ…」


キプトの怒りは決して彼に対してではない。それは、キプト自身への怒りだった。


何故、腕を解かなかったのか。いや、解くことができなかったのか。


それはおそらく、彼への好意ゆえだろう。だから、キプトは自身に怒りを向けているのだ。




殺し屋なのに、感情に流されてしまったから。




キプトは、殺し屋になった時に決めたはずだ。もう、誰かを好きにはならない、と。

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