従犯

第2話 悪魔を見る若者を殺した天使

「どうして、こんなことに…」


私は今、走っていた、正義に向かって。



5時間前、キプトは私に言った。


「今日はあの人から正義をもらいましょう。」


キプトは、若い人を見ていた。


「あの人の未来を潰すんですか?」


私はキプトに聞いた。


「私たちが奴を殺さなければ、私たちは奴に殺されます」


一言で十分だった。そう、私が明日を迎えるために奴を正義にするのだ。

そしてキプトは、奴に向かって歩いた。



「二つ目の道です!」


キプトに従って2時間以上走っている。

疲れた。なぜキプトの正義を世界の正義にするために、私が頑張らなければならないのか?


いや、分かっているはずだ。私の心臓はキプトが持っているのだから。

休もうと考えると、私の心臓が潰されそうだ。


私の心臓は私の中にあるのに。



キプトの言う道に入ると、前から人が来る。


「止まれ!」


わたしは叫んだ。

しかし、その人は止まらなかった。

止まれなかったのだ。


「走れ、悪魔が来る!」


その人は私に言う。それがその人の命を奪った。




死体から指を取ってから、キプトは言った。


「ご迷惑をおかけしました。何時間も走らせてすいません。」


天使のような顔だった。

私は、殺し屋のキプトしか知らなかった。こんなに可愛い人だったのか。


「辞めろ。照れる」


私は、いつのまにか口に出していたみたいだ。


「私は貴女に従います。」


そう言ってから、私はキプトの小さい体を抱いた。

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