第2話 おっぱいの責任
「颯太くん……うちのめぐみと結婚して貰えないかな?」
「ふぇ……?結婚……!?」
「まだ二人とも未成年だから、正確には婚約って形にはなるけどね」
「は、はぁ……」
俺の腑抜けた声が、静かなリビングに響く。
めぐみと結婚?俺が??
いや、確かにめぐみと俺は幼馴染だけど、ただおっぱいを揉ませてもらう関係だし、恋愛感情なんてものない。
想像もして無かった内容に、俺は思わず固まってしまう。
「ご、ごめんね!颯太くん!いきなりだったよね!」
「な……なんで、俺とめぐみが結婚することになるんですか……?」
すると、隣に座る父が口を挟む。
「それは、お前に責任があるんだぞ」
「責任?」
「そうだ、しっかりと責任を取りなさい。男として」
そう言われ、俺はさらに混乱してしまう。
責任……?俺がめぐみを妊娠させたとか……?いや、そもそも俺は童貞じゃないか!
こうして、俺は頭をフル回転させるものの、おっぱいを揉めていない時の頭は全く機能せず、思い当たる節が全く無い。
いつもとは違うリビングはしんと静まり、緊張が走っていた。
「よく分かって無いようだな」
「正直、全く思い当たらないよ……」
「だったら、説明してやろう。まず、瀬戸川さんの家系はそこまで胸が大きい家系では無いそうだ」
「む、胸……?父さん何言って……?」
ただ、父は真面目な顔で淡々と続ける。
「そこで、何かの病気を疑って、病院へと行ったとのことだ。そこで言われたのは、『中学生の頃から、毎日誰かから刺激を受け続けたのだろう』ということだ。ここまで言えば、お前の責任もよく分かっただろう」
中学生の頃から、毎日刺激……思い当たりがありすぎる。
めぐみのおっぱいが大きくなった理由は、俺が毎日おっぱいを揉んでいるからだ。
ただ、その事実が分かったところで、俺がめぐみと結婚する理由にはならない。
「いや、別にうちのめぐみと颯太くんが付き合ってるのは否定しないわよ?むしろ颯太くんなら大歓迎だわ」
ん?何故か俺とめぐみが付き合ってることになっているぞ?
と思い、咄嗟に否定しようとするものの「付き合わずにおっぱいだけ揉んでるんです!」と言うわけにもいかず、話は続く。
「ただね、最近街を歩いていると、その体型のせいか色んな人にジロジロ見られて、めぐみも心配なんだって……」
「そ、それがどう結婚って話に繋がるんですか……?」
「ウチは二人暮らしだから、基本的にめぐみを一人にすることが多いじゃない?だから、颯太くんと結婚すれば、めぐみを守ってもらえると思って!だからお願い!」
キラキラした目で見つめながら、めぐみの母さんは俺に訴えかける。
ここの返答次第では、俺とめぐみは本当に結婚することになってしまうだろう。
めぐみはとてつもなく可愛いし、とても良い子だが、恋愛的な目で見たことがないので、正直困惑してしまう。
俺は、助けを求めるようにめぐみの方を見る。
「め、めぐみはどう思ってるんだ……?」
「私は……颯太とだったら安心して結婚できるよ……?」
めぐみは少し恥ずかしい気な表情でにこやかに笑って言う。
そう言われてしまったら、もう受け入れる他ない。
人のおっぱいを大きくしておいて、その責任を放棄するわけにはいかないのだ。
「どうかな……?颯太くん……?」
「めぐみのことを守れるなら、よろしくお願いします」
すると、めぐみの母さんはとても嬉しそうに
「ありがとう、颯太くん!」
と言って、俺の手を強く握ってきた。
「だったら、近所のマンションを借りてるから、今日から同棲生活!よろしくね!」
「き、今日からですか!?」
「うん!だから早速色々なものを運び込まなきゃ……!」
「あ、だったらうちも手伝いますよ!こちらには男手もありますし!」
そう言って、めぐみの母さんと俺の両親はドタバタとリビングを出て行ってしまった。
「颯太……その…… これからよろしくね……?」
めぐみは、これからに期待するような穏やかな笑顔をしている。
俺は、そんなめぐみの方を見て我慢できずに言った。
「ひとまず、おっぱい揉んでいいか?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます