第2話アリバイ
黒井川探偵は、暗闇の倉庫の中で目を覚ました。
最悪、腕時計は外され、スマホもなくなっていたのでどれくらいの眠りについていたのか、自分のアゴヒゲを触って推理した。
「このヒゲの長さからすると、まだ1日しか経っていないな。と言う事は日曜日か」
黒井川は、ヒゲの伸び具合で土曜日の夜に襲われ、日曜日に目覚めたと確信した。
彼は、暗闇の中、灯りの差す方向に歩き出し、重い扉を開いた。
すると、
「黒井川さんっっ!」
「おっ、千堂君」
「どこに、居られたんですか?探しましたよ。鬼瓦警部に連絡しなきゃ」
「あの、電話の主の仕業だ。地獄の魔術師を名乗る男からだ」
千堂がスマホで電話していると、いきなり影から、ニューギニアの祭祀の格好をした人物が現れ、千堂の脇腹にナイフを突き立てた。
キャー
と、言うと千堂は倒れ込み、助けようとした黒井川は仮面のを剥がして見たが知らない顔だった。
魔術師は黒井川をひねり上げ、柱に頭を何度もぶつけて、黒井川は再び気を失った。
【黒井川さん、黒井川さん】
と、遠くから声が聴こえる。
目覚めた黒井川の前には鬼瓦警部と川崎巡査が立っていた。
「いやぁ〜、探しましたよ。黒井川さん」
「今日は何曜日ですか?」
「えっ、今日は火曜日ですが」
「そうか、地獄の魔術師に睡眠薬か何かで眠らされていたんだな」
黒井川が気付いた。
「あっ、千堂警部補は?」
「千堂警部補は腹部を刃物で刺されて、亡くなりました」
「それも、地獄の魔術師の犯行です」
「地獄の魔術師?アハハハ」
「誰だ!君は?」
「私は、警視の鳥山です」
「あ、あんた、地獄の魔術師だろ!私はあんたの顔を見た!」
そこに制服警察官が凶器を渡し、何かを伝えた。
「往生際が悪いぞ!黒井川。このナイフからは、お前の指紋しか残されておらん」
「何だって!馬鹿な」
「お前を殺人容疑で逮捕する」
「川崎、手錠を」
川崎は、不安気に尊敬する黒井川の右手首手錠を掛け、左手首に手錠を掛ける前に、黒井川がこう、言った。
「日曜日は皆さんどこへいらしてましたか?」
「私と川崎君は黒井川さんの捜索をしていました」
と、鬼瓦警部は言った。
「おいっ、あんたはどこにいた?」
「私は日曜日は県警本部に詰めていた」
「はは〜ん、分かったぞ!真犯人が」
「誰ですか?」
鬼瓦県警は尋ねた。川崎は待ってましたとばかりに次の展開に期待した。
「日曜日、アリバイの無いのは鳥山警視、あんただ。あんたが、千堂警部補を殺害したんだ」
と、黒井川はそう言い放った。
「では、どうやって、日曜日に殺害したと思うんだね?聞かせてもらおうか?」
さぁ諸君。鳥山警視は一体どうやってアリバイを作ったのか?考えてみたまえ。
分かった方は、コメント欄でお待ちしております。
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