頭の中の設計図#10「化物世界」

※原文から再編集しています。



「化物世界:猿の王国と破壊の機械少女」

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054954456782



 この作品、パイロット版ではありますが、これはこれとして一本としてまとまっているので、あとがきの対象とします。(個人的な及第点に達した作品、というわけですね)


 いくつかパイロット版タグがついた作品が出ていると思いますが、タグなしと比べて粗削りな出来になっている、というだけで、下書き状態のまま載せている、というわけではありません。


 今だと叩かれそうなネタ、もしくは「これ伝わるかな?」と言った濃いネタを飲みやすくしないまま公開している、と思っていただければと思います。



 というわけで、「化物世界」ですが――

「ボスラッシュ」と「孤島脱出」というワードから膨らませた物語です。


 主人公・ギンは、バケモノと呼ばれる「人間を追い越し世界を支配した生物」たちに育てられた少年という設定です。

 今回、孤島に迷い込んだ少女・ウリアを脱出させるために、家族であり兄弟同然の「猿」たちと戦うことになります。

 読んでみると実力が拮抗しているように見えますが、兄弟だからこそ、相手の癖も弱点も知っているわけで。やっとのこと、拮抗するところまで持っていけた、といった力の差です。


 バケモノは猿だけではなく他にもいますから……たとえば初見の相手であれば、ギンでさえも敵いません。それだけ、バケモノたちは絶対的な強者だと言えます。


 ですが、

 これが人間に向けられたとしたら、ギンはどんな相手にも負けない、限定的な「俺強eeee」な作品になっています。

 人間相手には無双できるギンですけど、作者的には人間相手に戦ってほしくはないんですけどね……。

 やっぱり、苦戦してこそ主人公は輝くと思っています。(俺強eeee作品を読むのは好きなんですが、書くとなると物足りない……)



 ヒロインの少女・ウリアは、そのバケモノたちに対抗するために鍛え抜かれた『ハンター』という職業についています。

(専門職とは言え、バケモノに対抗するためには策を重ねた上でさらに重ねる差がありますが)

 

 仕事中、波にさらわれ、辿り着いた孤島。

 そこは、バケモノである猿の王国――。

 ウリアからしたら、絶望的な状況からの始まりでした。

 そこで運良くギンと出会えなければ、間違いなく殺されていたでしょうね。


 猿たちも無差別に人間を殺すわけではありませんが、敵意ある人間に対しては反撃をするわけで……バケモノに対する嫌悪があるウリアはきっと、なにをされなくとも攻撃を仕掛けていたはず。そんな彼女が、バケモノに対して理解を示すまでの物語――

 というのが本質になります。


 そこで鍵を握るのが、機械少女アンドロイドのブルゥ。

 バケモノの中でも最強種と呼ばれる生物 (?)の子供です。


 彼女を挟むことで、ギンとウリア、そして、人間とバケモノが繋がることができた……

 しかしそんなブルゥは、他種族を滅ぼすことをあらかじめプログラムされていた種族だった、と――。


 人間、バケモノ。

 ギンの家族、そしてウリアという初めての友達を――ブルゥは自我を失い、殺そうとします。

 彼女を止めるには、彼女を壊すしかない。

 つまり、みんなを守るために、ブルゥを殺す――


 だけど。

 ここで、全てを救うために立ち上がるのが、主人公であるギンの役目ですよね?




 …了

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