頭の中の設計図#1「Landとランド」
※原文から再編集しています。
――ゲーム要素を取り入れた異世界ファンタジーになります。
キャラクター(NPC)や、施設を作り、町や国を繁栄させていく系のゲームを元にしています。(実際、そういうゲームはやらないんですけど……、なので完全に想像です)
「NPCから見たら、なんでもできるプレイヤーは神様みたいに見えるだろう」
……から、話を膨らませた形ですね。
「Land」はプレイヤー視点。
「ランド」はNPC視点で話が進んでいきます。
あ、普通にネタバレしていきます。
↓ ここから。
Landに関して。
神様(プレイヤー)同士の、NPCをどう扱うか、をテーマにしています。
作ったキャラだし、また作り直せるから犠牲にしたっていいでしょう?
その価値観の違いを持つ、神様同士の対立を描いています。
危機的状況に陥った世界を救うために、作り出したNPCを犠牲にしていく中で、主人公はたった一人のNPCを、どうしても犠牲にできなかった。
つまり、
「たとえ全世界、仲間さえも敵に回したとしても必ずあなたを守り抜く」
というのが、やりたかったことになります。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054913386383
↓
で。
ランドに関して。
こちらはNPC視点なので、なんでもできる神様(プレイヤー)との共同生活、がメインになります。
誰よりも強い、頼れる神様ですけど、いざその矛先がこっちに向いたら……NPCはどうしようもなく、抗えない。(機嫌を損ねたら、すぐに消されてしまうかも……?)
それに気づいてしまうと、神様(プレイヤー)の印象が180度、がらりと変わる、が、したかったんです。
「消去することも作り直すこともボタン一つでできてしまうプレイヤーって、NPCから見たら凄く怖くない?」
から、話を膨らませていきました。
(既にそういう作品があるのかもしれませんが、基本的に自分が読みたいものを書いているので、書いている時点では既存のその作品には出会っていなかった、わけです)
そういったゲーム要素に加え、Landよりもファンタジー要素を強くしています。
たとえば、魔王と勇者とか。
要素としては、「転生」。
神様がキャラを作り直すことで、結果的にキャラは死亡するわけで、その魂はぐるぐると回っている――転生頻度が高速回転している、というイメージです。
そして、勇者の「正義」についても踏み込んで。
「正義のためなら、なにをしてもいい」
――正義を盾に、剣を振るう。
それを邪魔するなら、誰だろうと「悪」という引き出しにしまわれてしまう。
これって、
「あなたのためなんだよ? と言っておけば、なにをしてもいいの?」
というイメージがあり、本来なら正義側の勇者を悪役にしました。
そう、ランドでは少し、王道からはずしています。
救いたいヒロインは、当初は敵対していて、登場も途中からです。
物語の始まりで出てきた主人公の拠り所である二人は、片方は悪役になり、片方は死亡(?)しています。
ヒロインと悪役が、途中で切り替わっている、という仕掛けですね。
(自分としては元よりヒロインと悪役は決まっていたので、途中登場した少女がメインヒロインになった、と言うより、メインヒロインが途中から登場した、という認識です)
他に。
一度世界を滅ぼした魔王ですが……
でも実は、「世界を支配しても退屈なんだなあ……」
という部分から、物語を膨らませました。
そして、長年続く伝統によって人生を歪められた、勇者と魔王の関係性。
勇者は魔王を倒すもの。
魔王は勇者を倒すもの。
という風潮に苦しめられた二人は、出会い方が違えば親友になれていたかもしれない……。
その可能性に思い立った魔王は、滅ぼした世界を区切り、プレイヤーを異世界から呼び込み……プレイヤーがするキャラクターの作り直しを利用し、転生頻度を多くさせることで仲良くなりたかった勇者の魂を探している――
彼女の転生を、待ち続けている。
加えて、転生した後。
前世の記憶が今の記憶を上書きしていく、という本人の恐怖心も合わせてみました。
どっちが本当の自分なの? と言った具合に。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054913390357
↓
実は、Landを書いた後に、ランドを書いています。
つまり、リメイクなのです。
単純に、リメイクするにしても同じものを書いてもつまらないから、じゃあ別視点で書いてみよう、神様視点で書いたから、次はNPC視点かな、と。
同じ世界観、題材、テーマ、キャラでも、視点を変えるとまったく別の面白さが出て、書く方も楽しめるものですね。(読む方は分かりませんが……、リポグラムで書いてみた、みたいな感覚なのでしょうかね)
もちろん、コンセプト(とログライン)を変えないと似てしまいますけど……。
逆に、コンセプトは同じでも、他を変えればまた印象も変わるわけで。
自分自身、そういった作品は多いです。
ようするに、一つの作品を何度も擦って磨いているわけです。
何回磨いても最高傑作が出来ない、なんだったら劣化してる?
――というのもまた、面白いところ。
…了
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