第10話「闇に煙る」

幾重にも重なる

非常な現実

息さえ遠のき

意識は朦朧とする

この不幸という名の私の一部が

日増しに私をむしばむから


冷静さを失い

束縛されていく

そして偏った比重で

歩くことは辛く

痛く苦しかった


ただ生きてるだけなのに

何故ここまで追い詰められるか

分かりもしなかった


そして現実から突き放され

一人孤独と混沌を行く


どうせなら

分かりやすい手引きが欲しくて

だけど人生にお手本はなく

日々変わる様々な色沙汰を感じ

自身で解決せねばいけない


だが不器用な私にとって

それは途方もなく困難で

身を削って、なるべく溶け込こもうとするが

どこでもつまはじきにされた


この不可解すぎる世界の森羅万象を

どうすれば報われるかと

あらゆる局面からアプローチをかけるが

それさえ無意味に

絶えず環境は刻々と変わり

置いて行かれる


もう寄り添うなんて

理解を辞めて

ただ自分のままに謳歌してやろうと

思ったが


そもそも私にそんな勇気はなく

どうしても下手に出てしまう


ああ、ほんとに自分が

煩わしい

この自我を全て消し去って

リセットして

新しくなりたいと

思うが


もうとう出来上がった自分から

逃れる事はできず

ただ死ぬまで同じだと


今日も闇に煙るのだった。


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