第7話「大人さえ」

生きてきた

死にたかったけど

生きてきた

この世界はいつだって冷たい

居場所を掴むのさえ覚悟がいる


なけなしの思いで

へばりつくが

すぐに蹴落とされる

お前は、死ねと。

お前は、邪魔だと。

そう、連呼される。


この世界の事は知りたくもない

だが痛みは拒んでも拒んでも

襲い掛かる

部屋に閉じこもって

トイレに閉じこもっても


どこにいても

僕は傷ついた

逃げてもダメで

正面からぶつかって

言い返しても

余計に怪我をするだけだった


この一度きりの人生が

ただの悲しいものでしかなく

早く終わって欲しいと

死に急ぎ

だが、命は大切だと道徳を刷り込まれ


惑い戸惑い

ただ茫然と痛みを抱え

それでも生きろと教え込まれ

大人はなんて無責任なんだと


この社会すら未完成過ぎて

いじめがあるんだと

泣いてる子がいるんだと

それなのに、それらを置いて

仲良くしようなんて

そんな言葉一つで

何も変わっていないのだと

それを分かれと

分かっているかと


問いただすけど

やり返すなと

そう言われ

だったらあのいじめっ子達に

制裁を下せと

そう促すが


それさえ大人は

ほっとけと気にするなと

まるで根性なしの答えを言い当て

僕は結局、このまま

何も変わらない現実で傷つき続け

ただ最悪の日々を繰り返し


死んでやると、誰も頼りにならないと。

そう切り抜けるしかできないと


そうただ、痛感した。

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