第6話「割り切る」
絶望の最中
一寸の光を見たく
ただ狂おしいほどに
足掻いていた
だがそれさえひねり潰され
まるで運命に死を宣告されてるようだった
この一切合切を
捨て去りたくて
しがらみを
混濁を混迷を
拭い去ってしまいたいが
世界とはあまりに醜悪で在り
命を摘み取っていく
この世界にある全てが
確かな悪意を飼っていて
そのあまりに悲惨なクロニクルが
ただ茫漠と立ちはだかり
何を正しく信じればいいかさえ
分かりはしない
そうして真夜中に沈み
ただ己の魂をふるいに掛け
死ぬか生きるかの
淘汰をする
だが死ぬよりは生きた方がいいと思うが
本当に苦しくて
死を思うたびに救われるように思える
だから今日、
僕は死ぬ
これ以上生きては
ただ虚しいだけ
だから死ぬ
後悔はある
それに悔しくもある
だけどこの心をあまりに黒くすれば
それこそ制御できない危機に直面するだろ
だからまだ死を割り切れるうちに
死ぬんだ。
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