第11話 レベルアップとなる

 それからも、そのポイントに居続けて、通りすがるゴブリンを待つ。すると、二匹のゴブリンが現れた。一匹を引きはがそうとしたのだが失敗して、二匹が襲い掛かってくる!


「うわっ! マズい!」

 しかし、二匹とも盾を攻撃してくるだけだ。そうであれば、二匹でも怖くはない。


 アリシアにかけてもらった強化魔法によって、一匹を難なく倒す。すると、もう一匹は戦意を喪失して逃げられてしまった。けれども――


「ス、スゴい。もう、ゴブリン二匹を狩れた!」

 それも、ノーダメージ。体力もほとんど消耗していない。


「この盾……とんでもないかも……」

 非戦闘系ジョブのボクでさえ、簡単にゴブリンを倒せたのだ。確かな手ごたえを感じる。


「そうなんですね」

 満足そうなボクを見て、アリシアは安心した表情を見せた。


「よし! 今度はアリシアがやってみよう!」

「私がですか⁉」


 いきなり言われて不安がるアリシアだったが、「ぜったい大丈夫!」と背中を押してあげる。すると、「そ、それじゃ……」と前に出た。


 数分後、一匹のゴブリンが現れる。


「シャァァァァ!」

 そう奇声をあげて、アリシアに襲い掛かってきた!


「きゃあ!」

 悲鳴をあげるアリシアに、「盾に魔力を加えて!」とボクが声をかける。


「はい!」

 すると、ゴブリンは盾に目がけて石斧を振り下ろした。


 戦闘経験のないアリシアだが、研究所で魔法を使っていたことで、レベルは七十になっているそうだ。なので、ゴブリン程度の攻撃なら充分押し返せる。


「本当です。大丈夫です」

 驚いているアリシアに、「見ているだけでなく、攻撃して!」と指示した。


「あ、はい!」

 アリシアは自分の剣を魔物に向けて振り下ろした。


「ギャアァァァァ!」

 事前に攻撃力強化の魔法を付与していたこともあり、一振りでゴブリンがパッと四散し、魔石がコロンと転がった。


「た、倒せました!」

 顔をこちらに向けて喜ぶアリシア。

「うん! やったな!」とボクも喜んだ。


「戦闘スキルも上がりました!」

 アリシアは魔導戦士なので、戦闘スキルを持っている。だから、レベルアップしたのだ。


「よし! この調子でジャンジャン行くぞ!」

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