第9話コース料理の試作

 コース料理 フルコース 

 

 前菜 スープ 魚料理 肉料理 ソルベ ロースト 生野菜 甘味 果物 コーヒーと順に出していく形態の事を言うが、前菜やソルベを省いたり肉料理とローストを一緒にする、甘味と果物も一つにするなど、時々によって変化させることが出来る。 

 

 コース料理、特に前菜、生野菜なんかはどう工夫をこらしたらいいか見当もつかない。 

 

 だからここは日本のネットからコース料理を検索して、メニューに加えていきたいと思う。 

 

 もちろん自分の中でこれ!って発想があったらそれも取り入れる努力をするが、初心者の僕はまず模倣からが一番無難な気がする。 

 

 前菜、これは少しだけ考えていたサーモンをつかった前菜が作りたいと思っていた。 

 

 サーモン、王玉タマネギ、大地のアボガド、を叩いて、生クリームと和えてアイスクリームの型で丸型にとったら、バターやガーリックバターを塗ったラスクを乗せる。 

 

 たらことジャガイモを和え、マヨネーズを加えたものと、エビとジャガイモをマッシュしてウニのクリームに和え、キャビアを上から乗せた、3種類の前菜。 

 

 この3種類をパテの様にラスクに塗って食べるのだ。 

 

 味見はセバスさんとリリアさんに。

 

 「これは・・・・長く王宮に仕えますがやはり我々にはない料理の流儀、これをナイフでラスクに塗り、いただきます。うん・・・・うん・・・・・・これは非常に美味ですね!新しく!鮮烈だ!サクサクシャワシャワしたラスクに濃厚なサーモンクリーム、アボガド!玉ねぎ!それに・・・・これはオリーブですか!?これは胃が開きますな!」 

 

 「たらことジャガイモを和えたもの!卵感強めの白いソース!ガーリックとバターのラスクにあいますね!エビとジャガイモのウニクリーム!!このキャビアと言うのが凄く濃厚でたまらない味です!」 

 

 なんでいきなりこんなのが思いついたのか?コースと言われまず前菜を真っ先にずっと考えていたとき、レバーペーストをラスクに塗って食べるのを思いついて、僕はレバーペーストが苦手だから、僕でも食べれるペーストとラスクがあれば、前菜にいいと思ったんだ。 

 

 ねっとりとした食感のペーストにサクサクと軽快なラスクやパイ生地の様な軽快感は前菜にもってこいじゃないかって。 

 

 スープはもう決まっている。 

 

 そうお馴染みのコーンポタージュだ。 

 

 何よりも自信があり、味も目新しさも問題ない、そして何より今一番錬磨されうまく作れる自信もある。 

 

 ポタージュはポタージュでもジャガイモやカボチャなど他のも考えたけど、やはり自分が今一番うまいと自信をもてるものにした。 

 

 さて魚料理だ!美肌鯛、生でもめちゃくちゃ美味いこの鯛、白身で淡白なイメージだが、一口食べると口の中で繊細なシャボン玉が弾けた様に味の広がる美肌鯛! 

 

 これを皮目からポアレにして焼き上げる。 

 

 キノコのデュクセル、しいたけ、まいたけ、マッシュルーム、シメジなどキノコ類とタマネギをみじん切りにしてバターでじっくりと炒める。 

 

 そこにパセリ、生クリーム、塩、胡椒で味を調え、皿の中央にキノコのデュクセルをしき、その上に鯛のポアレを乗せ、皿の周りにキノコのソースを垂らし、パルメザンチーズを散らす。 

 

 焼きの見極めやソースの煮詰め具合など、調理スキルで完璧な仕上がりをみせる。 

 

 「これは美肌鯛、完美鯛ともいわれ味もさることながらご婦人方に美白効果があると人気の食材ですな、下に敷き詰めてあるのはキノコ?のソースですかな?ほほ!美肌鯛がキノコのソースとこれほど合うとは!?しかもこの鯛、鱗がついてますな!?さくさくとスナックの様な鱗つきの皮とそこから出る脂が、キノコのクリームとよく馴染みます」 

 

 「美味しいです!すっごく!すっごく!美味しいです!!味も食感もこんな料理全く知りません!」 

 

 ふぅと汗を拭う、ウナギを大勢のお客さんに出した時とは違う緊張感に、一皿一皿に力いっぱいなので疲労もたまる。 

 

 次!肉料理、豚肉の中でもかなりの高級な地龍豚の豚肩ロースを使う!フライパンにオリーブオイルをしき、豚肩ロースをじっくりポワレしていく、塩、胡椒で軽く味を調え、アルミホイルでつつんで、5分程寝かせる。 

 

 かぼちゃ、さつまいも、れんこん、にんじん、ブロッコリー、セルフィーユを一口大より少し小さめに整えて切り、軽く素揚げに。 

 

 休ませた豚肉にナッツバターをたっぷり塗り、その上に素揚げの野菜で飾り付けをして、皿の周りにナッツバターを塗り整える。 

 

 パルメザンチーズを好みで散らせば完成。 

 

 「地龍豚!大抵はステーキで食べる事が多いです。高級な肉になればなるほど、塩コショウのシンプルなステーキにが我が国の調理法、下手に手を出し素材を台無しにする事を最大の恥としておりますから、こうも彩られた肉は中々見ません。味は・・・・・・心臓が震える程の美味!未知の体験!!!」 

 

 「上に乗ってる野菜、素揚げされてます。そしてナッツとバターのソース、手の込んでいる所はしっかり手がはいっていて、それでいて素揚げの野菜なんてシンプルに添えるだけ、協調の引き算と足し算ですね!感動的です!」 

 

 タイラントアップルのソルベ、琥珀糖を添えて 

 

 「ソルベ、これも我らにはない文化ですな、爽やかな酸味と甘み」 

 

 「いくらでもたべたいです!」 

 

 次肉料理のローストとあるが、大体がここで最大のメイン料理を出す、コース料理の主役である。 

 

 灼熱牛のフィレステーキ トリュフソース 

 

 「メインはステーキ、安心感がありますね。どこかほっとしたような、だがソースがある。ソース、いわゆる味付けのタレですが、このタレ、ソースという文化は我々は圧倒的に浅いと感じました。それだけ使徒様の世界のソースや味へのアプローチが飛びぬけて素晴らしい!」 

 

 「ふくよかな香気とお肉がよくあって、美味しいです!知らない味のオンパレード、まるで街並みを観光しているみたいに目まぐるしいです」 

 

 野菜料理、これが正直一番難しい、単純にサラダをだせばいいのか?野菜料理といわれてピンとくるものがあるだろうか?考えながら検索するが、中々これ!といった答えがでてこず、色々な野菜を使った野菜のテリーヌを用意した。 

 

 正直野菜料理は、これで定番になりそうな気もする、他が中々思いつかないのと検索しても出てこないのだ、難しいものだと思った。 

 

 キャベツ、ズッキーニ、ヤングコーン、オクラ、ニンジン、ミニトマトなどの野菜を型に綺麗にハメ、ゼラチンをながしいれて固める。 

 

 ゼラチンを入れる時に味を決めて、味付けしてもいいし、あとからソースをかけてもいいのかも?と思うが、多分あとからテリーヌにソースをかけるのは邪道なのかもしれない。 

 

 デザートはフェニックスの卵を使ったプリン、妖精の砂糖をつかってキャラメルを作った一品だ。 

 

 なんでプリンなのか?デザートは本当に難しいのだ。 

 

 最初っから独創的なデザートなんて考えられなかったし、技術も足りない、プリンが精一杯だった。 

 

 それでもセバスさんとリリアさんは大喜び。 

 

 甘味の種類もこちらは少なく、フルーツメインのお菓子がおおいのだとか?始めてのプリンに大絶賛してもらえた。

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