第36話 このロリ女神、殺してぇ……その前にヤらせて欲しいっ!

「キャるる~ん……ってお邪魔だったぁ??」


ロリ女神ちゃんが俺達を見て、ニマニマと笑う。


「煩いですよ、ロリ女神ちゃん、今日は何の用です?」


「あぁ~、イチャイチャを邪魔されたからって、冷たいなぁ、しもべ君。」


「俺としては、ロリ女神ちゃんとイチャイチャしたいんですが?」


「またまたぁ~、嬉しい事言ってくれるけどぉ、まだまだ君には早いゾ♪」


人差し指を立てて左右に振りながら、上目遣いで見てくるロリ女神ちゃん。


その仕草と言い、見上げる角度と言い、完璧に計算しつくされている。


分かっていても可愛い……くっそっ!


「あ~ぁ、あの勇者君も、これくらい素直だといいのにねぇ。」


ロリ女神ちゃんが愚痴をこぼし始める。


「いや、だから、そのイケメン勇者って、巨乳のお姉さんスキーなんだよね?……ロリ女神ちゃんとは対きょ……ぐぶっ!」


ロリ女神ちゃんの拳がみぞおちに入る。


小さな拳だけに、力が一点集中していて……い、痛すぎる……。


「そ、そうだっ!アンタ隼人にちょっかい掛けてた駄女神!隼人は無事なのっ!隼人の所に帰してよっ!」


突然アスカが叫ぶ。


……成る程、ロリ女神ちゃん御執心のイケメン勇者は、アスカの幼馴染だったわけか。


そうじゃないかと思ってたけど……ていうか、アスカの話しから、ロリ女神ちゃん以外思い浮かばなかったけどな。


「えっと、誰、アンタ?」


きょとん、と、可愛らしく首をかしげるロリ女神ちゃん。


「私のこと忘れたのっ!アンタに無理やり呼ばれた隼人の幼馴染よっ!」


対照的に、怒りを露わにして鬼のような形相で詰め寄るアスカ。


「あ、あぁっ、あの胸しか取り柄の無いエロサキュバスちゃん!」


「サキュバスじゃないっ!いいから私を戻しなさいよっ!」


ポンッと手を打つロリ女神ちゃんに詰め寄るアスカ。


いや、それ分かってて挑発してるからね。


どうどうと、俺はアスカを取り押さえて宥める。


「ん~、今は童貞クンのなのねぇ。ダメじゃない……ペットなら、童貞クンをさせてあげないと。」


「何で私がそんなことっ!それより私を帰してよっ!」


ロリ女神ちゃんは、俺に取り押さえられてジタバタしているアスカを挑発するように、クスクスと笑う。


「あなたがいなくなった後ねぇ、あのイケメン君が大騒ぎだったのよぉ。」


ニマニマしながらアスカへの挑発を続けるロリ女神ちゃん。


「隼人が……。」


「そうよぉ。俺のおっぱいがいなくなったぁっ!って大騒ぎだったんだから。」


「隼人……。」


ロリ女神ちゃんの言葉に瞳を潤ませるアスカ。


だけど、そのイケメン勇者、アスカの事をおっぱいとしか見ていないようだけど……いのか、それで?


「くっ……わ、私を……隼人のもとに……帰してください……お、お願いします……。」


アスカが、悔しそうな表情をしながらも、必死にロリ女神ちゃんに頭を下げる。


「クスクス。どうしようかしらぁ?」


「お、お願いします……何でもう事聞きますから。」


……あ、アスカ、それダメな奴。


俺が止める間もなく、ロリ女神ちゃんはにたぁッと邪悪な笑みを浮かべる。


……いやいや、ロリ女神ちゃん、アンタ曲がりなりにも女神なんだから、その笑顔はヤバいっしょ?


「何でも、ねぇ……くすくす……そうだ、アナタ、今から、童貞クンとエッチしなさい。」


「お、おいっ、それは……。」


「あらぁ?あなたは念願のエッチが出来るから反対する謂れはないでしょ?」


くすくす笑うロリ女神ちゃん。


……確かに、その通りなんだが……。


『迷うことは無いぜ。こんなチャンス滅多にないぞ。しかも相手はあの巨乳だぞ?』


悪魔君が騒ぐ。


確かに、あの巨乳を揉みしだき、アスカが喘ぐ声を思う存分聞いてみたいという誘惑にかられる。


『ダメよっ!落ち着きなさい。そんな事してアスカちゃんが喜ぶと思ってるのっ!』


天使ちゃんが止めに入るが、その声は弱弱しい。


『何言ってるんだよっ!喜ぶようにしてやれば……は無理かぁ、童貞だもんなぁ。』


悪魔君が憐みの眼を向ける。……うるさいよっ!


『と、とにかく、相手の意志を無視して無理やりなんて……。』


『や、相手もその気みたいだぞ……ほら?』


俺が、悪魔君と天使ちゃんの間で揺れ動いている間に、アスカは決心したようで、俺の前に座り込む。


そして顔を少し持ち上げ、軽く唇を突き出して目をつむる。


……えっと、これは……そう言う事?


『そうだっ!やっちまえっ!』


『ダメよ、ダメダメ……。』


『バカかっ!女の子にここまでやらせておいて……。』


それでも俺が逡巡していると、アスカが俺を押し倒して唇を押し付けてくる。


アスカは暫くして唇を離し、俺の耳元で「ヘタレ」と一言囁くと、自分が下になる様に体勢を入れ替え、自らの胸に俺の手を誘導する。


……大きい……柔らかい……。


『ほら、相手もその気なんだからやっちまえよ。』


『でも……落ち着くのよ。いつもの罠かも……。』


『ここまで来たら罠も何もないだろうがっ!』


『でも……そうね……』


悪魔君が勢いづき、天使ちゃんの声が段々と弱くなる。


俺は悪魔君のささやきに後押しされ、そのたわわな胸を揉みしだき唇を寄せる。


アリスと舌を絡ませると。背中にゾックッとした快感が通り過ぎていく。


……アリスの瞳に涙が浮かんでいるのを見て罪悪感がよぎるが、これもアリスが戻るために自ら選んだことで、俺はアリスの為の協力してやってるにすぎないのだから気にすることは無いと、自分自身を納得させる。


……が、そこであることに気付く。


いつも寸前で邪魔されている俺だから気付いた事だ。


『……気づいちまったか。知らんぷりして続けろよ。』


『ダメよっ。アスカちゃんはいつも優しかったじゃない。今こそ誠意を見せるべきだわ。』


俺は、唐突にアスカに膝枕してもらったことを思い出す。


戻ってきた後、ミィナたちから冷たくされていても、約束だから、と、文句を言いながらも膝枕して、優しく撫でてくれたアスカ。


正直言えば、アスカの事が好きになっていたと思う。


……チョロい言うな。童貞は優しくされるとすぐ好きになっちまうんだよっ!


そのアスカが今俺の腕の中にいて……このまま続ければ、俺のモノに出来るというのに……。


「はぁぁぁ……。」


俺は大きなため息をつき、アスカを離して身を起こす。


「あれれぇ?どうしたのぉ?やり方わかんないのかなぁ童貞クン。」


揶揄うように言うロリ女神ちゃん。


アスカも、身を起こし、怪訝そうに俺を見ている。


「いや、やり方も分かるし、今すぐにでもOKなぐらい準備も出来ているんだが……。」


俺は、ロリ女神ちゃんを正面に見据えて、真面目なトーンで訊ねる。


「なぁ、アスカが俺とエッチしたら、アスカをそのイケメン勇者のもとに帰してやるのか?」


ロリ女神ちゃんは、いくら小悪魔的でも、悪魔みたいな邪悪な笑みを浮かべていても、性格が悪魔そのものでも、れっきとした女神様だ。


そして女神様は嘘がつけない。


わざと黙っていたり、曲解できそうなもの言いをしたり、誤解するように仕向けたりはしても、嘘を言うことは無い。


だからはっきりと聞く。「に、やれるのか?」と。


「……はぁ……、おにぃちゃんのそう言うところきらぁい。」


あざとく拗ねた振りをするロリ女神ちゃんだが……。


「ちゃんと答えないと、広場の像壊すぞ?」


「……そんなことしたらあなただって困るでしょ?」


「こまるっ!だけど、何とかなるっ!」


「はぁ……バカがいるわ。……いいじゃない、その子とエッチしなさいよ、したいんでしょ?」


ロリ女神ちゃんが指を軽く振ると、アスカの衣装がするりと脱げて、そのたわわなおっぱいが……。


「きゃぁぁぁっ!」


アスカが悲鳴を上げ、その腕で、胸を必死に隠す。


その様子がまたエロイのだが……。


「ロリ女神ちゃん?」


「はぁ……もうわかったわよっ!じゃぁ交換条件。アンタがそのデカ胸女の胸を揉みながらキスしなさい。……そうしたらあなたの知りたいこと3つ迄答えてあげるわ。」


これ以上は譲らないとロリ女神ちゃんが目で訴えてくる。


……仕方がないか。


「アスカ、ゴメン。」


俺は、アスカの唇を奪い、その胸を揉みしだく。


……あぁ……天国はここにあったんやぁぁぁぁ……。


思わず我を忘れて夢中になってると、パッシィィィィ――ンっと大きな音を立てて俺の頬が叩かれる。


「いやぁぁぁぁぁっつ!」


俺は頬を抑えながらアスカから距離を置く。


……一度はエッチしようと決意したんじゃないのかよ。


俺はやるせなさにため息をつきつつロリ女神ちゃんに向き直る。


「さぁ、これでいいだろ?ちゃんと答えてもらうぞ。」


俺は、じんじんと痛む頬を抑えながら、ロリ女神ちゃんへの質問を口にするのだった。

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