第23話 最恐の番人

22話に設定を少し書き加えましたので、

そちらの方ももう一度見ていただければ嬉しいです。

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目の前に現れたのはAランクモンスターのミスリルゴーレムだった。


最恐の番人と呼ばれるこのモンスターは古代の魔法文明が秘められているといわれる古代遺跡の入口に出現し、調査に来た数々の冒険者達を返り討ちにしてきた世界一の番人。


『最恐』の番人と呼ばれる理由は高火力の打撃にどんな攻撃でもびくともしない高耐久の体を持ち、攻撃を繰り出すと冒険者だけでなく自身が守るべき遺跡さえもボロボロにしてしまう。


「戦う……なんてのはきつそうだな。」

「そうだね、ミスリルゴーレムは動きも遅いし逃げよう。」

「攻撃を繰り出した時に、隙が出来るはずだ。」


俺が囮となって攻撃を誘うことになった。

俺がミスリルゴーレムの前に立つとゴーレムは腕を振り上げる。

(いいぞ、そのまま振り下ろしてこい!)

ゴーレムは振ったが、それは俺の方ではなく入口近くの壁に向かってだった。

“ドォーン!ガラガラガラ………”


壁が崩れ、唯一の道が塞がった。

(なっ、逃げ道を塞がれた!?ゴーレム系のモンスターは知能が低く簡単な命令を一つしかできない、ミスリルゴーレムも例外でないはずだ。)


「目の前に俺が居るのにそれよりも逃げ道を塞ぐのを優先するなんて………。」

「まるで誰かに操られてるみたいだね。」

(操られてる?………!冷静に考えればわかることじゃないかいくらエヴォリュートといえどさっき出てきてたゴブリン達はCランクだったのに、急にAランクのミスリルゴーレムが出てくるわけ無いだろ。となればこの場に第三者がいて意図的に召喚したことになる。)


「とにかく慎重に動くぞ。サリーは前線でゴーレムの攻撃を受け流してくれ、ニーナはさっきと同じようにオールアップとサリーにスピードアップのバフを頼む。」


「おっけー!」

「わかりました!《オールアップ》《スピードアップ》」

先ほどと同じように力が湧いてくる。


普通ゴーレムの弱点である魔心は体の中心にありそこを狙うのが一般的な討伐方法だが、ミスリルゴーレムの場合全身がミスリルに包まれているため魔心を破壊するのは難しい。


そのため今回は初心者の討伐方法で倒す。その方法は、完全に無力化してから魔心を破壊する方法だ。1体討伐するのにかなり時間がかかるが、一番安全かつ確実な方法だ。


「《解析眼アナライズ・アイ》」

ふむ、膝裏の守りが弱いみたいだな。

ゴーレムの体は全身硬いが唯一防御力が低い部分がある。それは、関節部分だ。


「サリー!足元に潜り込め、膝裏を狙うんだ!」

「膝裏だね。」

サリーはニーナのスピードアップのお陰かものすごい速さでゴーレムの足元へ向かう。


「《ボルトアロー》」

俺は魔心があると思われるゴーレムの中心部分に向かって撃った。


(雷属性の魔法は信号を妨害することが出来たはずだ。もし操られているのなら魔心の近くに撃ち続ければ効果があるはずだ。)

途端にゴーレムの動きが鈍くなる。

(妨害出来ているのか動きが鈍い、ここまで鈍くなるということは完全使役型のモンスターだな。)


鈍くなった瞬間を狙ってサリーは膝裏に回り込んだ。

「《ストレングス・バースト》」

サリーの体が赤いオーラに包まれる。


(ストレングス・バーストは数秒間だけ爆発的に上昇させるスキルだけど使用後は全ステータスが下がってしまう。ここで決めないときついか………。)


サリーは腰元に剣を構える。

(ものすごく集中しているのが見ただけでわかる。)

「《クラッシュ・ブレイク》」

“ドォーーーーン”


とてつもない衝撃音が部屋の中に響いていく。

「サリー、一旦下がれ!」

サリーはすぐに下がる。


“ドシンッ……ドシンッ……ドシーーンッッ”

片足を失ったゴーレムは少しふらついた後バランスを崩して前に倒れた。


(背中ががら空きだ!立ち上がる前にここで仕留める!!)


「《速射》《ファイヤアロー》《アイスアロー》」

“ドンッ……パキパキッ!”

ミスリルには1つ弱点がある。

それは過度な温度差だ。温度に急激に差をつけることでミスリルが激しく伸縮することによって、強度が下がる。


(これだけじゃあまり温度差は出来ないと思うけど、サリーの火力ならきっと………。)


「《グレーグ・ヴァルグ》!!」

サリーは俺の意図を理解したのか、俺が撃った場所に大剣を突き刺す。

「――――――!!!」

声にならない断末魔とともに起き上がろうとしていた手に力が抜けて完全に機能を停止した。

同時にストレングス・バーストの効果が切れ、赤いオーラが消えた。

「や、やった倒せ…た。」

サリーは力なくその場に倒れた。


「だ、大丈夫ですかサリー!」

ニーナがサリーの下に駆けつける。

「はは、ちょっとスキルの使いすぎで魔力がもう無いや。」

「もう、心配したじゃないですか。」

「ごめん、僕はちょっと休むよ。」


(とりあえず無事に倒せたみたいだな。ゴーレムを倒したお陰でこの場から離れていく魔力を微かに感じる。恐らくこいつがゴーレムを召喚した奴で間違いないだろう。)

「逃さねえぞ。《速射》《制御射撃コントロール・ショット》《アイスアロー》」

“ヒュンッ”

放った矢は瓦礫の間を抜けて離れていく奴の足に当たり動きが止まる。

(さあ、諸々話してもらうぞ。)




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読:前回からかなり時間が経っていますがどうおもっていますか?


な:て…定期テストがあったから…………。


Q:定期テストから一週間経っていますが。


な:………………。


読:なにか言いたいことは?


な:ほんっとうにすみませんでしたぁぁぁぁぁぁーーー!!!!!


次回、襲撃者について明らかに!





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