第16話 霊穴の墓
「これからスキル科の授業を始める。担当のハウール・イルーガだ。」
昼飯を食べ終わり午後の授業が始まる。
担当の先生は眼鏡を掛けた緑髪の男性だった。
「この授業ではジョブブックに載っているスキルを新たに習得する、もしくは今あるスキルを組み合わせて新たなスキルを覚える。この2つのことをしてもらいます。後者はスキル同士に相性があったり、ものすごい技術が必要だったりと非常に難しいのでまずは前者の方法でスキルを習得するのがいいでしょう。今居るのは訓練室で隣のジョブブック室から本を持ってきて、そこに載っている手順通りに練習してください。それでは各々始めましょう。」
ニーナは王城から持ってきていた聖女のジョブブックを、サリーは公爵家から持ってきていた剣聖のジョブブックを、俺は実家から持ってきていた
「ニーナは何を習得するんだ?」
「私は回復魔法は使えるので結界系の魔法を習得しようかと思っています。」
「回復魔法はもう使えるんだ凄いな。」
(回復魔法を習得するのに何年もかかるって聞いたんだけどな。これもジョブの聖女が関係しているのか?)
「サリーはどうするんだ?」
「僕は連撃系のスキルにするつもりだよ。手数を増やしたいからね。そういうバルは何にするの?」
「俺はちょっと新しい属性に挑戦してみるよ。」
「何属性にするんですか?」
「まあそれは習得してからのお楽しみってことで。」
「何それ~僕めっちゃ気になるんだけど。」
「それより早く始めるぞ。」
俺がそう言うと、2人はすぐに集中し始めた。
(この2人メリハリはしっかりしてるんだな。さて、俺も始めるか。)
俺はボルトアローのスキルページを開く。
(結構これイメージしにくいんだよな。)
雷属性は火や水と違って、中々見れるものではない。さらに、特殊属性というのもあってそのことについて書いてある本も少ない。
(何でかわからないけど、できる気がする。)
俺は体の奥底に眠っている記憶を呼び覚まし。
「《ボルトアロー》」
“バチバチィ”
俺が放った矢は物凄い速さで的のど真ん中を射抜いた。
(まさかの一発成功かよ。)
その後俺は速射と合わせたり、走りながら撃った時の命中率を高めたりしていると授業が終わった。
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放課後俺は初めてのダンジョン霊穴の墓に来ていた。このダンジョンはCランクダンジョンで出てくるのはCランクとBランクのモンスターのみ。そしてこのダンジョン最大の特徴はダンジョンの名前の通りアンデッドモンスターのみとなっている。
ちなみにニーナとサリーはというと、2人とも用事があるらしい。まあ王女と公爵令嬢だと色々と忙しそうだもんな。
(何か来るな。しかも……5…6…7体。)
俺は魔力探知であるモンスターを感知した。
(右の道から来る!)
感知した通り右から出てきた。
(ゾンビか!)
ゾンビは肌の色が緑色の人型のモンスターだ。
右からゾンビが7体の群れでこっちに向かって来た。
「《アイスアロー》《速射》」
俺は冷静に7体のゾンビの足にアイスアローを当てる。
(ゾンビの厄介な所は集団でやって来るとこでゾンビ自体の足は遅いからな。近づいてくる前に足止めすればさほど脅威じゃない。)
「《ファイヤアロー》《速射》」
俺は奴等の胸にある核を破壊する。
普通なら単体でEランク程度の力しか持っていないにもかかわらずCランクとされているのは、弱点の光属性、神聖属性以外では胸に付いている直径3cm程の核を破壊するしかないからだ。
そしてこれは下位のアンデッド系モンスター全てに共通することなので群れで行動することが多い。
(このダンジョンに入る前にアンデッド系のモンスターのことは調べたからな、落ち着いて対処すれば怪我なく攻略できそうだ。)
俺はゾンビから出てきた魔石を回収し、更に奥へ進んでいった。
(ん?今度はゾンビ5体に新しい魔力反応が3体か。)
左の道からゾンビ5体と骨のモンスターが3体現れた。
(新しい魔力反応はスケルトンだったか。)
スケルトンは全身が骨でできている人型のモンスターだ。さらにゾンビと違い手には弓矢を装備している。
(とはいえ、骨だけで筋肉が付いていないスケルトンの射程は底が知れてる。)
「《アイスアロー》《速射》」
俺はゾンビ達がスケルトンを守るように道を塞いでいるのをいいことにアイスアローでゾンビを止めてスケルトンの射程に入る前に壁を造った。
(そうだ、いい機会だしあれを試すか。)
「《エクスプローションアロー》」
“ドォン”
目の前のゾンビとスケルトンは木っ端微塵になり、全て魔石に変わっていた。
(かなり魔力を押さえたけど、これでも全体の10分の1も消費するのか。)
俺が魔石を回収していると。
(こっちに向かって一直線に3体ほど来るってことは……。)
壁から3体幽霊のモンスターが現れた。
(やっぱりレイスだったか。)
レイスは他のアンデッド系のモンスターと違い、核を持たず物理攻撃を完全に無効化する。そして、氷属性の魔法を主に使って来る。壁もすり抜けることができるので、不意討ちされるケースがかなり多い。
(まあその分体力は少ないから接近に気付いて魔法が使えれば簡単に倒せる。)
「《ファイヤアロー》《速射》」
俺は一気に3体を倒した。
(もう少しペースを上げないと門限に間に合わないかもだし、ペースを上げるか。)
俺は一気にダンジョン内を駆け抜けた。
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一時間後
俺は大きい扉の前にいた。
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次回霊穴の墓のボス戦です。
すみません、前回あとがきを忘れてました。
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