第11話 Sクラス
翌朝、俺は早めに寮を出てクラス表が貼ってある掲示板を見に行った。
「えっと43番43番…………あった。」
Sクラスのところに俺の受験番号が書いてあった。
(教室は3階か。)
俺は階段を上って教室に向かう。
“ガラッ”
教室は後ろの席ほど高くなっていてどの席からも黒板が見えやすくなっていた。
(よし、誰も居ないな。)
教室は1つの机に3人分の席があり、それが
横に3つ縦に3つ並んでいる。
(席は自由みたいだし窓が近くて、あまり目立たなそうな真ん中の段の窓際の席にしよう。)
俺は真ん中の段の窓際の席に着席した。
(昨日はちょっとやり過ぎちゃったかな。)
「…………………………ル。」
(それにしてもあの盾硬かったな、ブラックウルフより硬いんじゃないか。)
「…ル?」
(やっぱり火力が課題かな。)
「バル!!」
窓の外の空をボーッと見ながら考え事をしていると、肩を優しく叩かれ初めて自分が呼ばれていることに気がついた。
すぐそばを見ると、
「やっと気がついたね。」
と呆れ気味に言うサリーとニーナがいた。
「バル、今はお邪魔でしたでしょうか。」
「いやそんなことないよ、こっちこそ全然気付かなくてごめん。」
「そうでしたか、ではお隣座っても良いでしょうか?」
「もちろんだ。」
「では失礼致しますね。…………“ボソッ”やった。」
そう言って俺の右隣にニーナが、そしてその隣にサリーが座った。
「そういえばバルは選択授業は何にするの?」
「俺は冒険科、体術科、スキル科の3つだな。2人は?」
「奇遇だね、僕たちも全く同じだよ。」
(良かった~、友達と一緒で。)
そうやって会話をしていると茶髪の太った男が近づいてきた。
「おはようございますニリナス王女殿下、サリア公爵令嬢。」
「ザリド様おはようございます。」
「いや~本日はお日柄もよく気持ちのよい朝ですね。」
そう言いながらザリドは俺を押し飛ばし俺の席を無理やり奪った。
(は?……何やってんだこいつ。)
俺は理解できず思考が停止した。
「ザリド!!何をしているの!」
サリーは立ち上がってザリドに詰め寄る。
「何って……邪魔だったから退かして座っただけですが。」
「はあ?邪魔だって。僕達からはあんたの方が邪魔なんだけど。」
そう言うとザリドの顔は怒りに染まった。
「この僕のことが邪魔だと!!こ の僕が!?僕は大賢者ザリド様だぞ。」
「大………賢者?」
(そんなジョブ聞いたことないけどな。)
「ザリド様はたしかジョブが賢者だったはずですが、大……とは?」
ニーナが補足する。
「遅かれ早かれ僕は大賢者になるんだ!!今名乗ったって問題ないだろ!!」
(うわっ、ガキかよ)
俺はそこに触れるのは面倒だから無視することにした。
「大賢者だからって席を奪って良い理由にはならないですよ。」
「じゃあお前のジョブは何なんだよ。」
「俺ですか?
「ハンッ、雑魚じゃねーか。」
「戦ってもいないのによくそんなことが言えますね。」
俺はザリドを少し睨む。
「
「それはあなたの方でしょ。」
「なに……。」
「相手のことを雑魚と罵っといて戦おうとせず逃げる、あなたの方が
ザリドの顔から煙が出そうなほど赤く染まっていった。
「上等だ!表に出てこい!!」
「なんの騒ぎだ!」
ドアから一人の太った金髪男が入ってきた。
「誰?」
「あの人は私とノアお兄様の腹違いの弟のマルマティスよ。」
ニーナが教えてくれる最後の方は顔が赤かった気がするけど。
「まったく、これからは王族である僕の言う事を訊いてくれよ。」
(こいつも傲慢野郎かよ。)
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新キャラの2人は実家の権力を振りかざしているだけのボンボンです。
PVがもう少しで3万を超えそうですありがとうございます引き続き星☆☆☆とフォローをお願いしますm(_ _)m
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