第7話 報奨
俺は今王城内を近衛騎士に案内されながら
進んでいた。
(俺何かしたか?やっぱり馬車の中の出来事は全部俺の対応のテストだったのか。)
「それではここでお待ち下さい。」
そう言って近衛騎士は俺を大きな扉の前に残し去っていった。
王城の大きなホールには沢山の貴族が集まっている。
「この度我が息子ノアールとその婚約者ティアルシアを乗せた馬車がブラックウルフを含むレッドウルフの群れに襲われた。」
玉座に座るこの国の王ゼルマン・ヴァン・ガルティナ・グルトニアが言った。
“ざわざわ”
聴いていた貴族達にざわめきが起こる。
「その際偶然にも助けた者がいる!!」
王がそう言うと貴族達は一斉に黙る。
「バルデニア・クリントン前に。」
そう言って扉が開かれると同時に、クリントンという家名を聞いて貴族達にどよめきが走る。
数分たってやっと目の前の扉が開くと同時に名前を呼ばれ、レッドカーペットの上を歩き並んでいる貴族達が途切れるところで止まり片膝を付いて礼をする。
「面を上げよ。」
そう言われ俺は顔を上げる。
上げた先には玉座に座るこの国の王様の右側にノア兄さんとティア姉さんがいてその後ろに黄緑色の髪を持つ三十代前半の男がいた。
左側には黄金の髪を持つ翠眼のまるで天使のような美少女がいた。
(あ、目が合った。)
彼女と目が合った瞬間彼女は顔を赤くして顔を背けた。
(やっぱりノア兄さんとか馴れ馴れしい態度をしたから怒っているのか、オワター。)
「バルデニア・クリントン。」
「ここに。」
(あぁ、公開処刑かなぁ。)
そう思っていると想定外の言葉が返ってきた。
「我が息子とその婚約者を助けてくれたこと感謝する、よって白銀貨10枚を報奨として与える。」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
1人のふくよかな男が声を上げた。
「その子はまだ12歳ですよ、それにクリントン男爵家の子なんですよ。そんな子がレッドウルフの群れを殲滅できるはずがありません!!」
「マルジーク侯爵よこれはノアールとティアルシア公爵令嬢両名から証言を得ている、それを疑うとでも言うのか!!」
「くっ……、失礼致しましたノアール殿下、ティアルシア公爵令嬢。」
そう言ってマルジーク侯爵は下がった。
(ちょっ、ちょっと待って待って待ってなんか色々と話が進んでいるけど、とにかく処刑は免れたみたいだ。でも、報奨を受けるほどのことをした覚えがないから辞退したいけど辞退したら王家の顔に泥を塗ることになるしここは素直に受け取るか。)
「バルデニア・クリントン、これでいいな。」
「ありがたく受けさせて頂きます。」
こうして今回の襲撃事故幕を閉じた。
俺はノア兄さんに王家の客室に泊まることを進められたが、報奨のときの顔を背けられた少女が気になるため断らせて頂いた、とても残念にしていたが。
報奨の時の白銀貨は手紙と一緒に家に送った。これで俺が学園に居る間は安心だろう。
俺は王都の宿に泊まって明日の
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次回ライバル登場⁉
……………………………かも。
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