第2話 母さんの手伝い

数日後。


「完全回復ぅ〜!よっしゃぁ〜!!植物ちゃんたち見に行こっと!」


完全回復したマリーが外に飛び出そうとしたその時だった。


「よかったわねぇマリー。でもまだ外にはいけないわよ。家のお手伝いをしなくちゃね?」

「げっ...そーだったねぇ母さん」

「覚えててくれて嬉しいわ。よし、じゃあ手伝いが終わったら外に行ってもいいわよ。でもたくさんあるからね、昼過ぎになるだろうけど」


植物の為だもん!頑張るしか無いじゃん!!


「うん、植ぶ....外で早く遊ぶ為に頑張るよ!!」

「うふふ、じゃあまず朝ごはん作りからお願いね。それまでに母さん井戸で今日分の水を汲んでくるから」

「はーい!やっとくよ」


見た感じ母さんとわたしの家事の分担は力が必要なのは母さん、そうでもないのはマリーの役目になっているみたいだ。そっちのほうが助かる。何しろこの体全く体力ないもん。今度から体力づくりもしよっかな。

ちなみに父さんは朝早く(深夜とよんでもいいかもしれない)から仕事だから戦力外だ。その代わり昼過ぎには帰ってくる。


「よぉし、朝ごはんつくるかぁ〜!記憶の感じからここの食事はまあまあってとこだし...母さんにも一日頑張ってもらうためにしっかり作らないと」


ちなみにマリーは前世野菜ソムリエの資格を取っている。野菜は植物だ。そして彼女は植物の為なら何でもする。本当になんでも...


「えーっとぉまずはバター...そうだったバター無いんだった!じゃあ外からハーブ取ってきて...野菜は豊富にあるね。これを茹でてから........」


五歳ほどの少女が木製の簡易キッチンでジュージューぐつぐつと音をたてながら料理している。日本では信じられない光景である。


「よぉ〜しできた!!なんか知らない野菜いっぱいだった!あとでしっかり調べないと。うーん、料理のできはまあまあかな...塩かハーブしかなかったからね...」


いろいろハーブトーストとなんかの赤い実とバジルの豆スープが出来上がった。それを鼻歌を歌いながら木の皿に盛り付けていく。


「マリーただいま〜ご飯できたかなー?あれっすごくいい香りするね...こんな美味しそうな香り今まで嗅いだことないわ...」

「おかえりー!わたしがんばって作ったよ!どうかな?」

「えっ....?これ全部マリーが作ったの...?嘘でしょうちの子まさか...」


あっ。やばい。もしもわたしが怪しいやつだと思われたら最悪追い出されてしまうかもしれない。どうしよう。


「まさか...天才だったのね!!すごいわマリー!全部自分で考えて作ったの?!」


バレなくてよかった。てか母さん親バカすぎ...?


「うふふん、すごいでしょ?わたし外のハーブを使ってできたんだ!!」

「はーぶ?はーぶって何かしら?」

「知らないの?ハーブっていうのはね、ただの雑草に見えるけどわたしたちにすごく良い植物のことだよ」

「へぇ~しらなかったわぁ...もしこれの効果がよくわかって売りに出したらいいかもしれないわね...」

「いいよ!わたし植物大好きだからその仕事なら大歓迎!」

「うふふ、よかったわ。じゃあ今度からお願いしようかしら。それにしてもいつからマリーはそんな植物好きになったのかしらね」

「えへへぇ...ほら、植物かわいいじゃん?」


朝食をつくるだけでまさか植物に関する仕事に着けそうになるなんて、超ラッキー!


「朝ごはんも作り終わったし、洗濯したらマリーは好きにしてていいわよ。今日の買い出しはないもんね」

「おっけー!やったぁ!終わったらわたしそこらで遊んでるね」


よぉしさっさと外に出るためにはさっさと洗濯を終わらせないと。ついでに文句のつけようがないぐらいぴかぴかにしようっと。


「まずはここにある水を...うげっなんだこの砂混じりの水は...こんなんじゃ洗濯にならないよ。ろ過からしないと」


なんだあの水は。砂が混じって濁っている。わたし不潔は嫌だよ!ろ過しないと。


ろ過と言ってもそんな大量な水をやるのは大変だ。ということで要らん大きな布に砂を積んでそこの上から流すことにする。


「うぉー!まあまあきれいになったかな!これなら洗濯できるね。ついでにいい香りのためにラベンダーを,,,ってここわたしの庭じゃないしないか。うーんどうしようかなぁ...」

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目指せ私の植物都市!植物のための植物による物語 蒼久若々 @kiki16

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