第57話 デート×4?
story teller ~春風月~
新しい友だちが増えた。
車谷善夜くん。光に告白してきた男の子。
私は友だちが増えた事、光の事が好きだと言ってくれる男の子の両方が一気に増えて、嬉しくなる。
今では、四宮くんや秋川くんと関わっているが、光は中学生の頃に彼氏と別れてから、ずっと男の子と関わらないようにしてた。
だから、自分の事のように嬉しい。
秋川くんに感謝しなきゃ。
涼も秋川くんといい感じに見えるし、周りがどんどんと前に進んでるから、私ももっと頑張らないと。
******
story teller ~四宮太陽~
放課後になり、俺たちは星羅を迎えるため、中学校に向かっていた。
もちろん、善夜も一緒だ。
なんでも、友だちが出来たこと自体が初めてらしく、遊びに誘うと、めちゃくちゃ嬉しそうな顔をしていた。
「それで、四宮くんの妹さんとその彼氏さんに会うんだよね?今更だけど、迷惑じゃないかな?」
「太陽でいいよ。うん、一応メッセージで1人増えたって連絡はしたから大丈夫だよ」
少し緊張してきたと言う善夜を、オレたちも一緒だからと堅治が肩を組む。
堅治は善夜の事が相当気に入ったらしい。
みんなで話をしながら中学校に着くと、星羅はすぐに俺たちを見つけて、走ってきた。
「お兄ちゃん早く行こ!」
俺の手を引っ張って急かす星羅に、初めましての人がいるからまずは挨拶してと伝える。
星羅は冬草さんと善夜に自己紹介をし、2人も同じように自己紹介をする。
「じゃあ早くいこ!優希くん待ってるから!」
早く優希くんに会いたいのだろう。
ほんとに優希くんが好きなんだな。
俺たちは駅に着くと、電車に乗り、前に優希くんと合流したのと同じ駅で降りる。
既に優希くんは駅前で待っていて、先程同様、堅治たちとお互いに自己紹介をしている。
この時に、夏木さんが冬草さんを堅治の彼女だと紹介して、堅治と冬草さんが焦って否定しつつ、お互いを確認するという微笑ましい姿を見ることが出来た。
もう付き合えよ。
みんなで、ショッピングモールで一通り遊び、少しお茶しようと言うことになった。
お店に入る前に、女性陣はトイレに行くと言って男性だけが残る。
「優希は普段、友だちとは遊ばないのか?」
最近よく星羅と会っているという話を聞いて、堅治が問いかける。
「平日は星羅ちゃんとよく会ってますけど、休日は友だちとも遊びますよ。まぁやることは星羅ちゃんといる時とほとんど変わらないですけど」
そういいながら、あっそういえばと続ける。
「最近、友だちの先輩が、誰も使ってない部屋があるからって言ってて、友だちに連れてってもらったんですけど、ゲームとか漫画とか色々置いてあって楽しいんですよ!」
「誰も使ってない部屋?」
「はい!アパートの一室なんですけど、友だちの先輩の知り合いが借りてる部屋らしいんですが、普段は使ってないからゲームとか自由にしていいらしくて」
そんな事あるか?と疑問に思いながら話を聞いていると、優希くんは鍵を見せてくる。
「なんか、お金とか取られて困るものは置いてないからいつでも使っていいって言われて、友だちから鍵も貰ったんです」
「そんな部屋つかっていいのかな?」
善夜もおかしいと思ったようだ。
髪の毛で表情は分かりにくいが、怪しんでるように見える。
「たぶん?俺もよくわかんないですけど、友だちも一緒だし、心配ないと思います」
純粋な笑顔でそう言う、優希くんに対し、俺と堅治、善夜は顔を見合わせて、怪しむ。
そうしていると、女性陣が戻ってきたので、話を中断し、お店に移動する。
前に春風さんと2人で行った、棒有名コーヒー店に入り、レジでドリンクを注文。それぞれ受け取ってから席に座る。
人数が多いので、窓際の席で横1列に座るが、星羅と優希くん、俺と春風さん、堅治と冬草さん、夏木さんと善夜の順だ。
なんか俺と春風さん以外が、カップルかカップル直前みたいな組み合わせなので、俺と春風さんだけ仲間はずれみたいだ。
俺も春風さんのこと好きだけど、春風さんはそうは思ってないだろうから、意識しないようにする。
「堅治くん、それ美味しいですか?少し飲みたいです」
「いや、関節キスになるから」
「気にしません。むしろ関節キスがしたいんですが」
冬草さん。あなたどんどん大胆になってませんか?一応俺達も居るんですが。
星羅と優希くんはカップルだから普通にシェアしてるのはわかるけどさ。妹が彼氏とイチャイチャしてるの見たくない。
善夜は初めて来たらしく緊張してるのがわかる。
俺も最初は緊張したし。でももっと夏木さんに話しかけろよ。頑張れよ。
俺は1人で他の組み合わせを見ては心の中でつっこむ。
そうしてキョロキョロしていると、春風さんが話しかけてくる。
「あ、あの、四宮くんのも飲んでみたいな・・・」
「えっ、俺の?」
「うん、美味しそうだから」
頬を赤らめながらそういう春風さんにドリンクを渡す。
受け取ったドリンクを春風さんが1口飲むと、女性陣が歓喜している。
いや、なんか俺まで恥ずかしい。というか夏木さんはともかく、星羅と冬草さんはさっきまでイチャイチャしてたでしょうが。なんでこのタイミングでこっちの行動見てるんだよ。
その後、春風さんが自分のドリンクをオススメしてきたので、恥ずかしさで死にそうになりながら飲ませてもらった。
もうみんなでは絶対に来ない。
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