第3話

やってしまった。とりあえず、謝るか?いや、でもあっちが必要以上に付き纏ってきただけで.....。

言い方きつかったかも。謝りにいこう。


とはいえ、葉月が行きそうな場所が分からない。どうしよう。


しらみつぶしに、私は教室やら屋上やらいろんな所に行った。でも葉月はどこにもいなかった。


『もう帰ったのかな?』


まだ、回っていない場所といえば.....


音楽室か


急いで私は、音楽室に向かった。

やっぱり中から啜り泣く少女の声が聞こえた。


私は、一瞬躊躇したが、ドアを開けた。


『葉月.....』

『............』

『ごめん、言い方がキツくて』

『いいよ、私が悪かったから.....』

『みのりちゃんは、私の事....嫌い?』

『そんな事....ないよ.....』

『やっぱり、みのりちゃんは私の事嫌いなんだね。』

『そんな事ない!』

『じゃあ、証明して。今ここで、私にハグしてよ』

『わかった』


心臓の高鳴りをグッと堪えて、ゆっくり、ゆっくりと葉月に近づく。葉月の頭を私の方に引き寄せて、腰に手を回し、


『嫌いなんかじゃない。好きだよ』


私にできる最大限のことをした。


『ふふ、ありがと』


葉月はいつの間にか泣き止んでいた。葉月の顔にいつもの笑顔がもどり、ほっとしていた。


『もう帰ろう』

『うん♪』


私は、きっとまだ葉月のことが好きなのだろう。そう実感した1日であった。

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