第11話「死に別れ」

人生が終わろうとも

泣けはしないだろ

むしろ本望だと

喜ぶだろう


なぜここまで曲がった事を

さぞ鼓舞して称賛してるかと言えば

現実があまりに疎ましいからだ

独であり、孤独で在り、

死骸のように死者よりも死者らしいからだ


ああ、生きてる実感がない

死んだって後悔はない

とっくに狂っている

回復の兆しもない

ただただ闇で


ただただ空しい

この刹那さえも痛く辛く苦しい

だから死んで終わらせて

死んで笑ってやると

天国で酒を飲もうと

タバコを吹かそうと


ただありもしない死後に

期待してる


ああ、僕は

この現実に散らばる禍根を

戒めを

ただ痛烈に感じ

死を持って別れたいと

それしか別れ方を知らないと


だから死んで

終わって

楽になって


ってサイクルを求めている

だからもういいだろ


十分生きたろ

あとは死んで


天国で言いつける

どうして僕にこんな因果を与えたかと

だからグッバイ


散々で騒がしい人生は

ここまでだ


お別れだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る