わからない

人間という生き物は

一度は死を望む生き物であると

そう思っておりましたが

実際はそんなことを

望む人のが少ないと知り

信じられない気持ちです

ならばなぜわたくしは

これほどにも死を希求しているのか

ご説明くださいませんか

これは脳の誤作動ですか

それとも人間の感情でしょうか

わたくしは何者であるのか

とんと見当つかぬまま

ここまでしぶとく生きてしまった

もっと単純な生き物になりたかった

湯船に沈んだ二本足を見るたび

そう思って人間だと感じました

どこまで行っても透明にはならなかった

夢と現実の間にいる感覚で

けれどもわたくしは現実を生きていた

お酒でも入っているんですか

わたくしは今言葉を操っているのかしら

意味のある言葉を知りません

意味のある情報を

脳が処理できなくなったものですから

無意味な言葉を歌い続ける

ただの指になったものですから

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