第2単位 最後の春
「
…………っっつブファファファハハハ!おもろすぎんだろ流石にさぁ!こんな事例この病院で15年働いてきたけど初めてだよ!ブヒョハッハハハハ!やべぇ腹いてぇ!」
「ダメですよ!先生!いくら何でもそこまで笑っちゃ可哀想ですよ!」
「そこまでってことは面白いって言ってるようなもんじゃんか。それにこんな時間だから誰も聞いてやいないって。そんなことよりさ俺とイイことしない…?」
「こんなところでダメですってばぁ」
‘<>‘
まぁいるんですけどね、扉の前に。聞いてましたけどね、最初っから。病室抜け出して自分の名前が聞こえたと思って聞き耳立ててみたらこんな目に遭うなんて思ってないんですけどね。
泣いてなんかないんですけどね。
…
ふっざけんなよ!何がカラスだ!
病院でイチャコラしやがってヨォ!
今から扉ぶち開けて病院全体に聞こえる声で叫んでやろうか!なぁ!
…まぁそんな勇気ないんですけどね。
俺は暗い廊下より暗い雰囲気で歩いた。
「みんなどんな感じになったんだろ」
ふと中学の皆の顔を思い出す。一年も経ってきっとみんな変わったはずだ。
俺のことを覚えているだろうか。忘れらてるなんてこともあるだろうか。
「いやさすがにないだろ。うんうん、忘れてるなんてことはないはずだ」
それに勉強方面もまずい。定期テストは5教科合計毎回375点程度、悪い方ではないがいい方でもない。
「あと一年あるし何とかなるか。
はぁ~そんなことより早く
明は俺が轢かれる数日前に告って見事カップルになった彼女だ。昔からの馴染みで、幼馴染って訳ではないが小学校のころからよく遊んでいた。
「どちらにせよ明日には退院だ。早く寝よ。」
////////////////学校にて
「え?」
「だ~か~ら~私とあんたはもう付き合ってないの。卒業した先輩とつきあってるの。わかった?」
「あ、ふ~ん。っそうだよね~もう一年半過ぎたもんね」
「じゃあ早く行くよ。私たち同じクラスだから」
「あっ了解。俺ちょっと腹痛いから保健室行ってくるわ」
「え?一緒に行こうか?」
「いいよいいよダイジョブ。ひとりで行けるから」
「っそ、気をつけてね」
そうだよね、もう一年半だもんね……
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああぁぁん」
俺は泣き叫びながら(勝手に)帰った。
「ウぐッ…ヒグッ…」
「ねぇお兄ちゃん。あのさ確かに目覚めたら一年半も経って、彼女とも別れてた
っていうのもきついとは思うよ。でもさ、いくら何でも二週間も引き籠るのはさすがに妹としてどうかと思うんだよね」
「ウぐッ…ヒグッ…なぎゅさめて゛」
「え?あ、いいよ?」
「う゛わぁぁぁぁああああぁああああん」
「うっわきったな抱き着くなクソ兄貴!!」
「ヒグッ…」
「あ~もうわかったから、はいよしよ~し」
「ヒグッ…」
「いや、いい加減にしろや!ふざけんなよ!なにがカラスを助けたかったからよ!
舐めんのも体外にしろよ!半分っていうかほとんど自業自得じゃん!」
「そこまで言わなくても…ヒグッ…あの時は後ろに女の人がいて、ちょっとカッコつけたくなって…ウぐッ…」
「なお悪いわ!そんなに悔しかったらね、残りの一年は勉強しまくって、いい学校に行きなさい!」バタンッ
扉が閉められ静寂があたりに立ち込める。けれど心はざわついている、行先はも決まったと。
「そうだよな…なに絶望にとらえてんだ。もうやるしかないだろ。
勉強を!」
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