第7話 幕間・・・雷光氏は語るよ

仙人には、知っているか? 尸解仙、地仙、天仙の階梯がある。

では最初の入口、入門レベルの尸解仙になるにはどうすればよいか?

修業や仙薬などで成れるか?


いや、それだけでは無理だ。


我々仙人と自称している存在の大元は仙域にある。 各自、独立した小宇宙、異次元世界を創造して、その仙域に蓄積される力(仙力)を自在な神通力に変え、俗に言う仙術として使用する。

ま、自分の創造世界・・・仙域、桃源郷、次元界、なんと呼ぼうが自由だが・・・では、実質神に近い存在になれるが、その代わり創造世界が安定すればするほど、自分の世界に縛り付けられ外の世界、現し世には簡単には出られなくなってしまうデメリットはあるが、、、


仙人の第一歩は、地仙以上の仙人から己の魂に力の付与をもらう事だ。

それにより、最初の創世が行えるようになる。

力の付与、ゲーム的には、ギフトをもらうと言えばいいのか。


後は、その世界を広げることで自身の力が増して行く。 精神的、肉体的、霊的修行などでそれを行うことが出来る。


自身の仙域を作りつつある段階の仙人が、尸解仙と呼ばれる階梯の者達だ。

現し世にこの身を置き、自分の仙域へはまだ遷移出来ないレベルのものが大半だ。

使える神通力も微弱。


自身の仙域へ己を完全に遷移して不老不死となったものを地仙と言う。

一般人が認識する仙人は、ま、この地仙階梯の者だな。

自身の仙域において、自在な神通力をふるうことが出来る。


尚、地仙は、まだ現し世との関係を切っていないため現し世へ干渉する者も少なくないが、下手に干渉すれば自分の身の破滅を招き自滅する恐れがあるので十分考えて行動する必要がある。


自身の仙域が完全に現し世から切り離しても存在できる強度、大きさとなり、自立した宇宙の支配者となった者を天仙と言う。

天仙の階梯まで上りつめた者は、現し世のしがらみから自身を切り離し、より高みの神を目指したり、自身の仙域の完成度をより高める事を求めるので、ほぼ例外なく現し世へ干渉する者はいなくなる。


そう云うわけで、素質ある新人へ付与(ギフト)を与えるのは地仙レベルの階梯者に必然的になる。


また、我々原則単独で動く者達を仙人とよぶが、仙人の世界にも派閥がある。

日本の仙人達には三つの派閥が存在するが、大体師匠と弟子の関係が派閥となったもので大して結束が強いものでもないがね。


他に尸解仙程度の力だが、集団で動く一団が道士だ。

道士は、一人ひとりの力は弱いが集団で法力を練り上げるので、天仙レベルの力をふるうことがある。

彼らはいくつもの集団に分かれている。

現し世へ干渉して荒らしているのは大体彼らだ。


道士の上位者が法士と言う。

大体、地仙と尸解仙の間程度の法力を単独でもふるえるが、道士を配下としてその法力をまとめ利用することで、強大な力を発揮する。


その彼らの一部は、現し世における現し身(アバター)を狐や狸、カワウソなどの動物の形にして、稲荷信仰や新興宗教などにまぎれて人間の信仰心を吸収、これを己の力に変えている。

全く鬱陶しい奴らだ。


尚、人由来以外の仙として、有名どころは鴉天狗だな、彼らは自然霊という神々がこの世に生み出した世界に生じた歪から生じた魂魄が昇華した者達だ。

人由来の仙人からの離脱者、所謂天狗と呼ばれる者達の下に集まり一団をなしている。

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