③理想的な女が未婚なのはなぜ?
女の名は、ララーノ。俺と同い年で宮廷魔導士をしている。なんと彼女は、俺に忌まわしき呪いを掛けたあのやばい女の妹だ。俺に対する姉の凶行に同情し、なんとか解呪できないかと奔走してくれた、心のきれいな女だ。結果はこの通りだが、そんなことはどうでもいい。姉とは年が十ほど離れていて、見た目から性格まで、全てが似ても似つかない。同じ血で出来上がっているとは思えないほどにだ。
さっき、俺が早く呪いを解きたい理由は家のためだと言った。半分弱は嘘じゃない。しかし、半分強の、違う理由がある。すなわち、惚れた女とよろしくやりたいという願望だ。そのために呪いが邪魔すぎたから、適当な女に気持ちを受け入れてもらって解呪しようと思ったのだが、このザマである。最早なりふり構っていられない。死ぬかもしれないのなら、本命相手に勝負しなくてどうするというのだ。
「母上、ああまたとなき聖母よ。この身は忌むべき巨悪の邪念で朽ち果てるかもしれない。だが、高潔な我が魂が引いてはならぬと叫んでいる」
「よく分かりませんが、今日もお勤めを頑張ってくるのですよ」
今生の別れとなるかもしれない母親とのやりとりは、呪いのせいでずいぶん間の抜けたものになってしまった。仕方がない。それでも俺はやるのだ。
……ん? 性格も容姿も非の打ちどころがないはずのララーノが、どうしてそんな歳まで未婚なのかって?
どうしてだろうな?
(問)理想的な女なはずのララーノが、二十七歳まで未婚である理由とは?
(期限)2023年12月5日(火)23:59
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます