②相手はどんな女?

 これはそんな俺の物語なのだが、まずは肝心の俺について知っていただこう。


 俺は現在二十七の男だ。とある王国でもう七年も騎士を務めているエリートなんだ。こんなことを自分で言うなんてと思われるかもしれないが、許してほしい。俺は強く、賢く、高貴でそして美しいから、この程度のことは許されるはずだ。


 だが、そんなすばらしい男であるはずの俺は、いまだに独身だ。残念ながら、この事実は何ら不思議なことではない。俺の身体には忌まわしき呪いが掛けられているから——それゆえに女に全く相手にされないからだ。


 女と会話するときだけ、無駄な修飾や比喩だらけのおかしな言葉遣いになる。数年前、厄介な女を引っ掛けたせいで受けた呪いだった。これを解く方法はたった一つだ。一人の女に、愛を受け入れてもらわなければならない。それも、百人の女に振られる前にだ。百人目の女に振られたら、そのとき俺は死に至るという。


 女が相手の際、意思疎通すらままならない言葉遣いでは職務を全うできず、代々騎士を輩出してきた一族の名誉を汚すことになる。俺は早くこれを解きたくて——そして、九十九回、失敗を繰り返した。すなわち、もはや俺は窮まっている。


 次の告白は命懸けになる。


 百人目の女は、とうに決めていた。


(問)「百人目の女」、つまり「俺」が真に恋した女とはどんな女?

(期限)2023年11月28日(火)23:59

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