トウモロコシの芽が出た

 数日が過ぎて育苗箱のトウモロコシが土から小さな芽を出し始めた。


 先日メギから聞いた、地力の枯渇の影響で野菜は育たないかもって話が本当か確かめるために10か所の畑にそれぞれ3本の芽を植えてみて、ちゃんと育つか成長が止まるかを見ることにした。


 そこから数日経つと、育苗箱の苗は大体の芽が育って地面から顔をだす。その中でも成長が早かったトウモロコシは丈が1センチを少し超えるくらいに育っていた。


 畑の苗はというと……、問題なく育っている。というかこちらは2センチは無いけど明らかに育苗箱の中の苗よりも元気に見える。


「あー、地力は無いけどお日様当たるから光合成が捗るってことか」


 育苗箱の設置場所は畑のそばの物置小屋。陽の当たる窓際に設置したいけど、重さとサイズが原因でとてもじゃないけど窓の淵には置けそうにない。


 窓の淵じゃないところをと思って、日の当たる部分の床に見当をつけるけど、全部の育苗箱が当たるには光の面積が小さくて、成長に差がでそうだったしと思って理想環境で作業することはあきらめた。

 

地面に埋めたトウモロコシを見て、無視にやられていないかの確認をする。


 

 さすがにまだこの成長具合では虫はいないらしい。ひとまずほっとはしたけど──


「やることなくなっちゃったなー」


 芽が出たことをハグミに伝えても今ではまだ何も手伝ってもらえることは無いし、何日かに1回は畑の様子を見に来るはずだから、この地力の供給が止まってる世界でも野菜は育つんだぞってことでびっくりさせれるかもしれない。


 となると本当にやることが無い。一応この土でも育つのが分かったし、苗をいくつか植えてもいいんだけど、やっぱりもう少し根っこを伸ばしてから地上に植えたいし、そうなって来るとやっぱりやることがない。


 でもまぁ、そう遠くない内に植えに来るのは間違いないし、植える場所に畝を作っておこうかな。

 

 思いついたら即行動。畑にいって畝を作り始める。


 撒いた米ぬかとかもみ殻がいい感じに微生物の餌になってるのか、夏の月の初めに耕した時よりもクワの地面へ入る間隔が楽になってる気がする。


 私が作業すると女神のパワーなのか、あまり苦労には感じないけど、いつか誰か人を雇って作業を代わりにしてもらうってことになると、その人達が苦労することになるかもしれないし。土壌改善が上手くいくのを楽しみに待つばかりだ。


 土壌改善ではやっぱりふかふかで栄養満点の良質な土を目指したい。でも、まだまだ触った感じでふかふかとは程遠くて、土づくりにはやっぱり時間がかかるよなーとしみじみと感じた。


 結局畝を作り始めて数時間もすると全部の作業を終えた。


 あともう少し育てばトウモロコシの植え替えができそうだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る