第六話 学園襲撃②
現在、僕は個室トイレの中に居る。理由はこれのせいだ。
僕はポケットから着信がずっと鳴り響いてるスマホを取り出した。
なぜこれがずっと鳴り響いているのかと言うと…
―数分前―
僕達はヘラと名乗る襲撃犯達に連れられ体育館に集められていた。続々と人が集まっていく中、それとは別で何人かが襲撃犯達の目をかいくぐって別行動をとったりしている。
まあ、このぶんなら別行動をとってる奴らの内誰かがこの状況をどうにかするだろう。
…主人公気取りか、それとも…
そんな事を考えながらふと隣を見ると先程威勢がよかった二人が俯き縮こまっている。
「ふん、やっと大人しくなったか。」
ボスの右腕もといダブドはそう言うが、僕はそうは思えなかった。気配で分かる。二人は何かを狙っている。
…今日は思ったよりも早く帰れそうだな。
・・・・
別行動組が動き出したら解決するのは時間の問題だろう。
だが…さっき見たがあのリーダー格の男、別行動してる奴等にどれくらいの実力があるのかは知らないが倒すのはきついだろう。まあどう切り抜けるかだな。
そう思っていたのもつかの間、僕の携帯がけたたましく鳴りだした。
周りはどよめきだし、襲撃犯達は音の出どころを探り始めた。
僕は慌てて着拒した。だがふざけたことにまた鳴り出し始める。電源を切ろうとするが電話を掛けてきた相手を見た瞬間、もう一度着拒し再び掛かってくる前に気配を消して逃げることを選んだ。
そして…
―今― にいたる
僕は今なお鳴り続ける携帯を見て正直苛ついている。
もう一度電話相手を見ると…
「悠凪渚…か」
こいつ着拒しても出るまでかけ続けてくるし、電源切っても何らかの方法で掛けてくるんだよな…
僕は半ば諦めながら電話を取った。
「もしもし…」
『もしも〜し』
コイツ…
「こちとら絶賛襲撃中なんだが。なにか用か?」
『絶賛襲撃中って…まあいいわ。』
「良くないだろ。」
『いやいや、違うのよ。用件があったんだけどその用件こそその襲撃よ。』
僕はそこはかとなく嫌な予感がした。
「…やんないぞ」
『まだ何も言ってないじゃない』
「予想はつく」
『なら話は早いわね♪』
「だからやら…」
『その学園を襲撃している者たちを確保してきてくれないかしら。』
「やらない」
『…言い続けるつもりね』
「やらないったらやらないぞ。」
『で、でもいいの?ななしのくんが解決しなかったら帰れないんじゃないの?』
「この学園で僕以外にも別行動している奴らが数名いた。あとはそいつらが解決してくれる…」
『うぅ…』
「なんでそんなにこの件を僕に解決させたがるんだよ。」
『だ、だってぇ「…………」しちゃったんだもん。』
「なんて?」
『だ、だから「…け……を」しちゃったの。』
「もう少し大きい声で喋ってくれ聞こえないから。」
『だから協会のボンクラジジイ共とかけをしちゃったの!!!』
「あ?」
『勝ったほうが負けた方になにか一つ依頼を渡すんだけど…』
「おい…まさかそれが…」
『うん!これ!』
屈託のない元気な声でそう返してくる渚。
…ぶん殴りたい
「とにかくなんて言おうがやる気はないからな」
僕ははっきりといった。だけどこいつは…渚は諦める気配が一切なく。
『嫌だ!嫌〜だ!やってよなーくん!お願いだからぁ!!』
急に幼児退行し始めた渚。昔の口癖も出てるな…いや、今もそんなもんか。
『嫌だ!嫌…ねえ、なーくん。』
「急に何だやらないぞ。」
『なんかさっき言った計画なーくんにしては歯切れが悪かったよね。別行動組が解決?なーくん実はその人達で解決するにはきついと思ってるんじゃないの?』
僕は内心ぎくりとなったが何も言わずにいると渚は更に詰め寄ってきた。
『襲撃犯たちの中に強い人がいたりして…』
い、いや予想だあくまでも予想。そう言おう。そんな僕にとどめの一撃が入れられた。
『早く帰らないと…セーリアちゃんが怒るんじゃない?』
「!!」
してやられた…僕に残された選択肢はなかった。
「はぁ、分かった。」
『やってくれるの?!』
「あぁ」
『やった!!な―くんありがとう!!』
「もちろん依頼料は貰うからな。」
『分かった!!じゃなかった…分かったわ。』
そうして電話を切ろうとする。渚は≪してやったり!≫とか思ってそうだな。だがこのままでは終わらせない仕返しはさせてもらうぞ?
「そう言えば渚。」
『何かしら?』
「ぬいぐるみを毎晩抱いて寝るのどうだ?温かいか?(笑)」
『?!―☆€+÷+€^)],〒:!!』
そうして僕は電話を切った。
…さて現状はどうなってるんだか。僕は周囲の気配を探る。何人か動き始めてるやつがいるな。
ボスは僕がやるとしてそれ以外はそいつらに任せればいいだろう。
そして僕は制服を変化させ変える。フードを深く被り仮面をつける。
「さて…行くとするか。」
僕は、否、
災害が動き始めた。
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