第28話NTR魔女の秘密と出生の秘密

「悪ってどいうこと? その虐待されてるとか?」

困惑して俺は言った。


「ううん、違うよ。誰にも言わないって約束してくれるなら。お兄ちゃんのこと信用していうけど。」

莉菜ちゃんが、首を振りながら言う。


「誰にも言わないよ。」



「…お母さんね、自分は離婚の理由何も悪くない様なこと言ってたけど、違うの。本当は、お母さんのせい。」


違うって? どういうことだろう?

何か知ってるって事だよな?



「お母さん…浮気性なの。長男の悟お兄ちゃんと私父親がそれぞれ違くて。律お兄ちゃんだけ、本当のパパなの。」


その言葉に俺は戦慄した。

なんだと! 親父〜とんだ女と結婚したなー。どんまいだ。


親父に心から俺は同情した。



「どうしてそれが分かったの?」

普通分からないだろうと、俺は思い聞いた。



「お母さんね、お酒飲むと、男性にモテたって自慢するの。それで分かったの。私の父親ね、青木って言う人。今はお医者さんやってるんだって。」


なに…青木…医者…1人思い浮かぶんだが。

俺の知り合いで。


「ちょっと莉菜ちゃーん、何を話してるのかな〜」


ドアを少し開けて沙也加さんが不気味な笑いを浮かべて言う。


莉菜ちゃんは、表情が固まっている。



「すみません、俺が余計なこと聞いて。ちょっと俺と2人で話せませんか?」

この場をなんとかやり過ごそうと思い言った。


沙也加さんが頷き、外に出て話をする事になった。


「あなた、ちょっと守さんと、デートして来ます。」

沙也加さんが笑顔で言った。


「沙也加は、本当面白いな、行ってらしゃい」

親父は、幸せそうな表情で、俺たちを見送る。


夜の風が少し寒い。今の緊張状態には、丁度良いが。




「莉菜が言ったことだけど、軽蔑したでしょ?」


「はい。」

俺は即答した。


「でもね、それは深い事情があってね。仕方ないと思う理由があるの」

沙也加さんが言う。



なんだ? 深い事情って、夫が浮気したから、仕返ししたとか? それとも夫公認の浮気?

それとももっと深刻な理由か。



「それはね、夫より素敵な人が現れたの。それはしょうがないよね? 素敵な人ってやっぱり既婚者なのよねー。そう言った理由があったら、しちゃうよね?」

悪びれもせず沙也加さんは言った。



なんだこの人? 自分のことばっかりで、子供のこと何にも気にしてないだろそれ?



「俺高校生だから、ちょっと分からないですけど。」

正直軽蔑以外の何者でもないが、一応お母さんになる人に非礼なことは言えない。



「そお? 守さんなら分かってくれるかと思ったの。」

だから言ったのよ、とでも言いたそうな表情だ。


「なんで分かると?」

そんなの今日会ったばかりだろ? 分かるわけがない。


「だってねぇ、莉菜ちゃんのことエッチな目で見たでしょ?」


…見て…ないとは言わないが、それとどう関係があるんだ。

素敵な子に目移りするよね。とでも言いたいのだろうが。



「見てないですけど? 見間違いでしょう。それより、浮気するならせめて避妊はして下さいよ。」

俺はむっとして説教した。



「本当よねー。避妊ぐらいしてくれれば良いのにね。」


…なんだと? 聞き間違いじゃないよな? 



「沙也加さんが避妊すれば良いでしょ?」


「なんで? 女の私が? 避妊するのは、男の役目でしょ? 高校生の癖に、分かったようなこと言わないの。」


彼女が眉間に皺を寄せて言う。


えっ? 俺なんか間違ってんの? 駄目だこの人。めっちゃ自己中だ。

ある人を思い浮かべた。


「そうだ、このこと博司さんには、言わないでね? 離婚されちゃうだろうから。」


言わねーよ。離婚なったら、誰が莉菜ちゃんを守るんだ。

この親から莉菜ちゃんを護るには親父には犠牲になってもらう。


男佐野、妹を取ります。


「言わないですよ。親父には絶対。なのでご心配なく。」

一応悪いことしてる自覚はあるんだろうな? 


しかし、親父には言わないが、親友2人には言わせてもらうがな。



そして俺は家に戻り、莉菜ちゃんを安心させた後寝た。


そして俺は学校に行き、早く2人に話したくて、授業そっちのけで、そればかりを考えていた。


2人とも、大切な話があると伝えた。

そして誰もいない教室で、3人になった。



事情を話して、2人の意見を伺った。


「凄い人だね。めっちゃ自己中で、なんだか、あゆみの様だね。」

西条が呆れて言った。


「だな。俺もそれ思った。親戚じゃねーかなって。」

俺は頷きながら笑って言う



「…ふむ、もしかしたら、親子かもしれんぞ。」

青木が爆弾発言した。



「その沙也加さんって人の旦那、滝川さんの、社長の会社に勤めてたんだろ? 社長と子供こさえた可能性がある。それが、滝川あゆみかも。」


おいおい、こいつ急に何言いだすんだ。


「確かに…似てるよな性格。あゆみ父親のことはよく聞いたけど、母親のこと全然聞かない。僕のお母さんが事故で人引いたから、それで気を遣って言わないのかと思ったけど。」

西条が同意する様に言う。


…凄い妄想だな。この2人は。


「そんなの無理だろ。滝川あゆみを仮に母親だとすると、どうやって旦那に隠れて、産むんだよ?」


俺は矛盾点を指摘した。


「ふふ、社長だろ? 部下を一年、単身赴任させるのなんて容易いだろう。その間にって考えられないか?」


青木が反論した。



「確かに…いや、なんでそこまで推理すんだよ? お前ら。」



「いや、俺は単純にな、それだと辻褄が合うと思ってな。まず第一に、大川律を捨てて、直ぐに西条の元に戻った。これは、腹違いの兄妹だから、無意識に離れた。そうは考えれらんか?」



「それに第二、大川律が滝川あゆみをストーカーした時に、ボディーガードを雇い、直ぐに入院させ、滝川のスマホを回収した。ちょっと大袈裟な気がしたが、腹違いの兄妹と知っていた社長が、それを踏まえていたとしたら?」


青木の名推理に俺は、唾を呑んだ。



「はぁ、極端な考え方って母親譲りだったのかー。僕も納得しちゃうよ。」

西条が何か納得した様な表情をした。



「そんなの妄想だろ? それよりそんな女の事より、妹の莉菜ちゃんのこと考えてくれよ。青木、お前の腹違いの兄妹かもしれないんだ。」

俺は滝川あゆみなんてどうでも良いと話を変えた。



「俺の父親が不倫したとは、考えずらいが…それだとやはり辻褄は合うな。妹とに対して、母が冷たい気がしたんだ。家政婦俺には合うけど、妹には、合わなかった。」



「それを変えなかった。つまり不倫をした、父親に怒りを感じていた。母がネグレクトしていた理由になる。」


青木が考え込みながら言う。



「なるほど、仕事で忙しいだけじゃなくて、そう言った理由で、円香ちゃんが、ヤンデレになってしまったのか。そうだ! 円香ちゃんに連絡しとかないと、僕怒られる。」


そう言って西条がスマホを手に取った。



「やっぱり、姉妹なのかな。凄い円香ちゃんと莉菜ちゃん似てるんだよ。」

俺は呟くように言う。



「なら、試してみるか? 連れて来て西条に惚れたら、間違いなく姉妹だな。」

青木が冗談か本気か分からない事を言った。


「連れては来るが、それ目的では連れて来ない。莉菜ちゃんを試す様なことはしたくない。」


俺はきっぱりと言った。

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