第27話新たな家族のと出会い
3ヶ月前
中島の視点
それは違うのよ。私が律を捨てただなんて。
全員引き取りたかったけど、夫がそれを拒絶したの。
律は、夫に凄い懐いていたから、気に入られて、合わせてもくれなかったの。
それに、リストラされて捨てられたなんて…会社のお金の使い込みがバレてそうなったのよ?
律に嘘を教えてたのね。
そう言うことだったんだ。それなら大川さんに説明すれば、滝川さんに粘着しているのが直るかも。
私はそう思った。
大川さんの母親に事情を説明したら、きちんと話してくれた。
とても綺麗な人で柔和な人だった。
それからちょうど警察官の人が尋ねて来た。
警察官の人に大川のお母さんが説明していた。
警察の人と目線が合った。
桜と話して、警察の人にも説明をしようとなった。
その際、警察の人の1人が佐野さんの父親だと判明。あとは、任せてと言われた。
とても真面目そうな人だった。
佐野さんの父親に大川さんがストーカーになった背景を細かく説明して、お願いしますと伝えた。
私情は挟めないけど、しっかりやるよ。何かあってからじゃ遅いからね。
佐野さんの父の言葉に、私たちは、ほっと胸を撫で下ろした。
佐野の視点に戻る
そして現在
なるほど、事情は察した。
「そいうことか、おめでとう親父。」
俺は2人を祝福した。
「ありがとう守。これから暖かい家庭を新たに築こう。」
そう父の熱のこもった言葉に皆感動した。
「おにーちゃん、早速遊ぼ? ゲームして遊びたい。」
義理妹こと莉菜ちゃんが僕に近ずき言う。
「莉菜ってば早速守さんに懐いちゃって。」
沙也加さんが笑顔で言った
「だって、守おにーちゃん凄い優しい感じがするの。悟おにーちゃんはさ、冷酷じゃん?」
莉菜ちゃんがそう言って僕の袖を掴む。
「ふふ、まぁ冷酷…まぁ冷酷な事平気でやる子なのは間違いないわね。むしろ好む様な。」
沙也加さんが表情を引き攣らせて言う。
そんなにか。まともなのは、この2人だけってことか。
律と悟2人とも一緒に住む事にならずに済んで助かったな。
「おにーちゃん遊ぼ。」
「分かったよ。沙也加さん、俺向こうで莉菜ちゃんと遊んでくるんで、親父とゆっくりしてください。」
俺は空気を読める男だからな。
そう自分を褒めた。
「中々やるじゃん。ゲームで、なんとか勝てた。」
俺は妹のゲームの腕を褒め称えた。
「おにーちゃん強いね。」
へへと言って負けたのに莉菜ちゃんは満面の笑みで、本当に楽しそうだ。
その笑顔に俺は胸がときめくのを感じた。
駄目だ、何考えてんだ。
俺は首を横に振り、その感覚をすぐに否定した。
「莉菜ちゃん可愛いから学校でモテるでしょ? 彼氏とかいるの?」
彼氏が、いてくれれば、さっきの感覚は、消えてくれそうと思い聞いた。
「ううん、私中高女子校だったから、彼氏もずっといないよ。おにーちゃんみたいな彼氏欲しいんだけどね。」
その言葉に俺はまた、変な心情を抱いた。
「なぁそんなに、悟ってお兄ちゃん冷たい感じだったの?」
俺は妙に距離が近い義理妹に警戒感を抱いた。
「うん、その通りだよ。だから、暖かい守おにーちゃんみたいな…お兄ちゃんが新鮮と言うか、気配りする様な事、お兄ちゃん言ってたから。あっ…違うんだって。」
悲しそうな表情で彼女は言う。
「分かった。なら、俺を本当の兄みたいに思って、うんと甘えてくれて良いから、そんな表情すんなって。」
俺は莉菜を励ます様に言った。
「えへへ、本当優しい。ありがとうね、お兄ちゃん。」
莉菜が笑顔に戻った。おにーちゃん呼びからお兄ちゃん呼びに変わっていた。
それが妹の成長を表しているかの様だった。
さて…何を話すか? 流石にすぐ打ち解けてくれたは良いけど、俺の方は、そんな簡単に、フレンドリーには、接してやれない。
それにしても本当に可愛いな。円香ちゃんぐらいってさっき思ったが…莉菜ちゃん、かなり円香ちゃんに似てる。まるで生き別れの姉妹みたいだ。
最初円香ちゃんが、座ってるのかと思ったぐらいだ。
「学校では何か楽しい事とかあった?」
ふむ…とりあえずこれで行こう。学校での話しだ。
「うーん特に…女子校つまらないの。お兄ちゃんの学校に転校しようかな? ねぇ、お兄ちゃんは、学校楽しい?」
なに? 俺のとこに転校? そんな簡単に決める事?
ビビるわそんなん。
「学校楽しいね。彼女いるし、友達いるしで、毎日行くのが楽しいね。」
俺は正直に語った。
「…お兄ちゃん彼女いるんだ? やっぱり優しいからモテるんだね。」
妹が口を尖らせて言う。
「いや、残念ながらずっといなかった。ここ最近だな。出来たのは。」
「そっか付き合い始めって感じ?」
「そーでもないけど。半年経ってないって感じ。」
やはり…恋愛話になるのか。友達とも恋愛話になるし。結局そうなるのは、俺のせいなのかもしれない。
「莉菜ちゃんのお母さんってどう言う人? やっぱり優しくて…お兄さん達とは違って、その…まとも?」
何か莉菜ちゃんがされたりしていないか。少し探りを入れたのは、やはり俺が警察官の息子だからだろうか? それと兄2人が変わっているからと言う、偏見からだろうか?
「お母さんがまとも? ううん、凄い悪だよ。」
莉菜ちゃんの返事は予想を反していた。
親と兄貴がまともじゃないから、俺にすぐ懐いたのか?
一体…悪とは、どう言う意味なんだ。
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