オンラインゲーマーがボランティアはじめてみました。

第6話

「緊急行く人ー」

「ノ」

　チームチャットで声がかかったので、僕は軽い感じで手を挙げた。

「リテム12ブロック集合ー」と、チムマスのパグさん。

　フレンドリストで、パグさんを指定して「この場所に移動」コマンドを実行。

　ブロック移動の画面をほわんほわんほわん。

　リューカーデバイスに到着する。

　到着すると、我らがチーム「ちょこころね」のオレンジ色のアイコンがいくつか見える。

　チムマスのパグさんを筆頭に楪さん、桜火さん、ほのかさん、来栖さん、ぐんぐさん、ロレさん。チーム外のレアニスさんもいる。

　パグさんの仕切りで、パーティー編成が始まる。

「桜火さんリーダー、ほのかさん、レアニスさん、あと来栖ひろってー」

　みんなの頭上表示が、順番に青くなっていく。

「あと、ロレさんリーダー、ぐんぐん、楪さん、ホワイトさん」

「あれ?　パグさん行かないでし?」

「パグさんは行きません!」

「変わる弟子」

「早く行く弟子」

　誤字のまま会話が進んでいくなあ、と思いつつ、ロレさんが折れて出発することに。

　これが夫婦の会話かと思うと、何か微妙な気がしなくもない。

　そして、時計は周り、緊急クエスト「星滅の予兆」が始まる。

　固定で受けるには、パーティーリーダーがパスワードを設定して、それが一致するとマッチングする仕組みだ。

　と、思うとロレさんが一言。

「誰か武器外してないでし?」

「大丈夫」

「問題なし」

「オーケーとな」

　僕も武器装備を確認して返事をする。

「おかしいでし……、受けれないでし」

「おかしいですねー」とレアニスさん。

「戦闘力3649、皆さん足りてますかねー」

　戦闘力というキーワード。

　PSO2NGSというゲームの中で、結構重要な数字となる。

　何せ、これによって、受けられるクエストの足切りが存在するのだ。

　この数字はまず本人のキャラクターのレベル、そして武器や防具。

　そのレベルが高いかどうかとか、メインクラスとサブクラスのスキルポイントで判断されるらしい。

　だから、武器を装備していないと、普段足りている戦闘力が足りなくて慌てる……ということが出てくる。

　スクリーンショット撮影をよくやる人たちは、これをやらかすことが、結構あると。

　とは言え、それは関係ないようだし。

　うん?

　戦闘力3649……?

　あれ?　僕3520しかない……?

　え?

　あ……、あああああああ。

　サブクラス、経験値稼ぎのために、バウンサーにしてたっけ!

　スキルポイント足りないヤツだだだだだだっ!

「ちょっとサブクラス変えてくるとな!」

　※NGS豆知識

　まずステータスの基礎攻撃力。そして武器の攻撃力。武器の潜在能力レベル。ダメージ補正の上限と下限。防具の防御力。

　武器や防具の特殊能力の補正値。

　そして、メインクラスとサブクラスのスキルポイントの合計値で判断されます。

　意外と気づかないのが、武器外しとサブクラスです。

　スキル取ってないサブクラスにすると、途端に戦闘力下がります。

　これはメインクラスも同じ。

　どうせ使わないクラスだからといって、放置しておくと、いざという時に焦ります。

　本当に使わないなら、割り切ってサブクラスでも使えるスキルに全振りしておきましょう。（振り直しはいつでも可能です）

　はじめたばかりのころ、緊急クエストに行く戦闘力が足りないという人の理由に、スキルポイント振り忘れは、割と多いです。

　大体コクーンに行ってない。

　ですので、まずコクーンへ行って、スキルポイントを獲得してくるとよいでしょう。