第7話 三歩も進まず二歩下がる



 私は貝類になりたいですっ!


 ちっちゃい貝類になって第二の人生を生きていくんですっ。


 できれば可愛い貝殻がいいなぁ。


 ピンクの色だったり、模様がついてるといいなぁ。


 カーライル「なにぶつぶつと、訳の分からん事を言ってるんだ」


 ちょっとは、出来るつもりだったんですけど、ご主人様のお食事の邪魔をしただけでなく、手当てまで付き合わせてしまうなんて。


 あうぅ、だめだめです。


 だメイドという奴です!


 こんな私は何をやってもダメな子なのかもしれませんっ!


 落ち込んできました~。


チヨ「ごっ、ご主人様っ、ごめんなさい」

カーライル「お前は本当にそそっかしいメイドだな」

チヨ「あうう」


 こんなんじゃ、クビにされても文句を言えません。

 そうしたらこの世界でどうやって生きていけばいいんだろう。


 ご主人様、怒ってるだろうな。


 だけど、しょんぼりしている私の耳にご主人様の笑い声が聞こえてきました。


カーライル「くっくっくっ。だが、それでこそだ。わざわざ行き倒れていたのを拾ってきたかいがある」

チヨ「ふぇ?」


 あれ?


 予想外の反応ですよ。


 さすがに呆れられるかとおもったのに。


 楽しそうな様子を見せるご主人様に訳が分かりません。

 私に迷惑をかけられるのが良いなんて。

 ご主人様って、ドエスにしか見えないのに、ひょっとしたドエムの方だったんでしょうか。


カーライル「顔に出てるぞ」

チヨ「すみませんっ」


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