第5話 まだまだの一歩



 ひっ、ひどい目に、遭いましたっ!


 とんでもない目に、遭ってしまいました。


 異世界に来る前の私に、教えてあげたい。


 異世界転移するから、その日一日家でじっとしてて言ってあげたい。


 もう嫌ですう~。


 何で毎回毎回、あんな事できるんですか!


 ご主人様の、最低陰険ドエス性悪色欲魔人!


 毎回毎回、あんなドエスなご主人様に、口に出すのもはばかられるようなお仕置きされるのは嫌ですよっ。


 なので、お仕事に工夫する事にしました!

 なら、最初からしとけよと言う人もいるかもしれませんが、最初からは思いつかなかったんですっ!


 とにかく。


 頑張って考えて、やっとこれだけの対策をひねりだしました。


 とりあえず、モップがけする時は、バケツを蹴ってひっくり返さないように部屋の隅に置いとくか、ちょっと高い所に置いとくことにしました。


チヨ「よいしょっと」

リア「あらあら今日は頑張ってるわね。チヨ」

チヨ「リア姉さん!どうですか?工夫してみました!」


 うふうふわらいながらやってきたリア姉さんに、「よしよし、良い子良い子」と頭をなでられます。


 ふわー、誉められましたっ!


 この調子で頑張れば、メイド長になるのも夢ではないかもしれませんっ!


 だけど、リア姉さんは「でも」と口ごもります。


リア「喜んでるとこ悪いけど、ここ、他の子が掃除してたわよ」

チヨ「えっ(がーん)」


 そんなあ~。


 前言撤回まだまだみたいです。


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