第3話 失敗待ち



 ふぁ~。


 大忙しです~。


 毎日毎日、ばたばたしちゃいますよっ。


 お仕事お仕事で、遊んでる暇なんてありません。

 メイドさんってすっごく忙しいです。


 私は特に他の人より仕事が遅いのと、失敗が多いので、特にマシマシです。


「あうう、疲れましたぁ」


 というわけで、体力が底をつきました。


 ううっ、軟弱ですう。


 すると、そこにご主人様。


 見計らったかのように、とても良いタイミングで登場!


「何だ、チヨ。もうへばっているのか。我が屋敷のメイドとして失格にするぞ」

「ひえっ、ご主人様っ。いえっ、今のはそのっ」


 私は慌てて、口を開くけれど、ご主人様のカーライル様は意地悪そうに笑っています。


 あっ、からかわれた!?


「ふん、冗談だ。さすがに雇ったばかりに人間をすぐに辞めさせるほど非情ではない」


 そういう事するから、陰険とかドエスとか思われるんですよっ。


 主に私からっ。


「ただし、罰は受けさせるがな。そうしないと、お前のような人間は一向に成長しないだろ。たまに怠けているのを知っているぞ」


 ぎくりっ。


 も、もちろん休憩はちょっとだけで、いつもお仕事はしてるんですよ?


 でも、あの、そのう。

 失敗が連続すると、ちょっと落ち込んじゃうので。


 ちょっぴりだけ、楽をしてしまったことも、なくはなかったり?


「そそそそんなっ、罰なんて受けなくても、私ちゃんと頑張りますからっ」

「遠慮するな。ほらこっちこい」


 嫌な予感がした私は、速攻後ずさります。

 でもそんな私の肩をがっちり掴むご主人様。


 絶対に話さないぞという鉄の意志を感じさせます。

 握力が!

 めりこんでますっ、ゆびがっ! 私の肩に!


 見計らったかの様にご主人様がスーパー悪魔のほほえみを発動。

 にたり(地獄絵図の妄想図展開中)。


 ひいいい。


 笑顔がコワイ!


「えええ、遠慮させてくださいませですうううう!」


 言葉がおかしくなってますけど、気にしているどころじゃないですうううう。

 はやくっ、にげないと!


 いろんな意味で、精神的にも物理的にもおかしくされちゃう!


「いーや、駄目だ。さて、今日はどんなご奉仕をしてもらおうか。お前は面白いからな、とびっきりの道具を用意してまっていたんだ。感謝しろ」


 とびっきり、性格悪いですっ。

 この人、やっぱり人が失敗するの待ち構えてたっ!


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