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 公園に置き去りにされたジルは、ヒルデを捜したけれど、見つからなかった。


 ヒルデの家に行ったが、そこにもいない。

 ジルは、ヒルデのママと、髭の男の人に、こわれた顕微鏡を見せて、事情を説明した。


「みんなで一緒に、ヒルデを探そう」

 髭の男の人の言葉に、みんなうなずいて、三人一緒に公園に向かった。



 ジルはいつもヒルデを怒らせてしまう。

 なかでも、今日の失敗は最悪だった。


 この顕微鏡は、ヒルデがパパからもらった大切なタカラモノだということを、ジルは知っていたから。

 ジルが死ぬほどつらい思いをしているのは、ヒルデのことが大好きだからだ。


*いつもぼくは、失敗してしまう。失敗は元に戻らない。みんなが怒りだす。……でもどうしたら、失敗しないでいることができるんだろう*


 ジルにとって失敗しないことは、到底ムリで……。


*……もう、どうすればいいかわからないけど……とにかく、謝ろう……*


 ずり落ちてきた緑の帽子を一度脱いで、ジルはしっかりとかぶりなおした。

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