第106話 小説と香水 サロンドパルファン2024
今年もサロンドパルファンの時期になりました。
ずっと行ってみたいと思いつつ、毎年この時期はてんやわんやで気が付いたら終わっていること数年。なんと今年は12回目だそうで、去年に引き続き2回目の参加です。
いろんな香りと出会ったことも書きたいですが、今回はミラーハリスのストーリーズコレクションの話を書こうと思います。
なぜならば、小説の一説をもとに作られた香りだから。
もう知った時から試したくて、他の方がコメントを残せばどんな香なのだろうと想像していました。
満を持して、今回ミラーハリスに突撃。するとものすごい店員さんがいらっしゃいまして、それぞれのもとになった小説の一節をそらんじながら、香りをためさせてくださいました。
いやもう本当に素晴らしかった。こんな解説をやってみたいと(そっちか)思うのはミュージアム屋の悪い癖ですね。
今回5種類の香り、つまり5つの作品をもとにした香りなので、どこかにまとまった紹介ページがないものかと探したのですが、意外となくて、ちょっとこま切れですが、小説の一説が紹介されているページのURLを最後に張っておきます。
5種類の作品と香りは以下。
・F・スコット・フィッツジェラルドの小説『夜はやさし』から「スケルツォ」
・アーネスト・ヘミングウェイの「日はまた昇る」からは「スフロ」
・中国の古典「紅楼夢」から「セラドン」
・ヴァージニア・ウルフ著『灯台へ』から「ミニア」
・イーディス・ウォートンの「無垢の時代」から「スタッカート」
それぞれの一節は、実は100ミリボトルを購入するとラベルに刻印(たぶん)されているのです。なんておしゃれ。
それにしても、小説の一節部分を切り取って、調香師さんにはそこだけを渡して香りを考えてというやり方がすごすぎます。
すごすぎて、同じ「夜はやさし」はもう一つ「テンダー」という香りまであるのです。(今は廃盤なのか、限定だったのか、購入はできないようです)
またセラドンが一番気になっていたのですが作品の身分違いの恋の切なさなど、引用だけでは見えない部分まで教えていただき、意外と暗さや陰鬱さのある香りながら、だからこそ繊細で奥深い魅力になっている、と感じました。
小説がまずあり、それを表現した香りは、物語があることでどこまでも深堀できる。いいですね。
まさに今のこの時代、2024年だからこそ出会えた香りたちです(5種類のうち二つはこの10月に新発売)
私も香りからキャラクターをイメージしたこともあり、こんな風に作品から香りが生まれ、その香りからインスピレーションをもらってまたキャラクターを作れたら、きっと面白いだろうなぁ、などと考えたりしているのでした。
参考:
・スケルツォ、スフロ、セラドン(小説の一節部分あり)
https://shop.kawabe.co.jp/pages/2407_millerharris?_pos=68&_sid=596772a58&_ss=r
・ミニア、スタッカート(小説の一節なし)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000400.000007011.html
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