第2話 『もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた』 【本】
目次
1 はじめての猫
角田光代とトト :小説「任務十八年」
吉田修一と金ちゃん銀ちゃん :エッセイ「拝啓 金ちゃん銀ちゃん」
2 いつでも猫
村山由佳ともみじ :短編「いつか、同じ場所」
柚月裕子とメルとピノ :エッセイ「振り返れば猫がいる」
3 これからも猫
保坂和志とシロちゃん :エッセイ「シロちゃん」
養老孟司とまる :エッセイ「まるのこと」
―――――――――――――
猫の表紙に惹かれて手に取った一冊。なんとこの中に入っている短編小説を読んだのが、本当に久しぶりの小説という事実に打ちのめされる。
いや、読みかけの小説はたくさんあるのだけれど、最後まで読み終えたのが久しぶりという話。
作家と猫の物語。もともとはNHKで放送されたものを書籍化したらしい。
どうりで写真が豊富。実際の映像も見れたら見てみたいなと思いつつ。
猫を飼う話は数年前から、何ならもう10年近く前からある。けれど家族の入院・手術の予定が延期に延期を重ね、毎年長期休暇のたびに「手術どうしましょうね」の作戦会議が病院で繰り広げられるわけで。
とてもとても猫どころか、生き物にまで手が回らないと伸ばしに伸ばしてきたのだ。
そして満を持して、今年の夏。二度に分けましょうという医師の決定に、第1回目の入院手術が決行された、はずであった……。
手術当日の朝、「やれたら一度でやってしまいます」という医師の宣言に、もうそのまま手術室に向かうという時間。
「ちょっと待って先生! 話が違います!」という間もないまま、子供を手術室へ送りだすことになった。
結果、一週間の入院予定が二週間に伸び、子供は術前に聞いていた話とは全く異なる己の体に大パニックを起こし、今回は練習と付き添いなしの予定が急遽付き添いとなり……という阿鼻叫喚の夏休みとなった。
書き始めるときりがないけれど、その後子供が入院中にコロナ濃厚接触者となり、夫が発症。私まで濃厚接触者になって病院に入れなくなり、さらに退院が伸びかけた。
幸いにして実家の母に退院手続きと子供を引き取ってもらったが、夫が10日ほど隔離という中で退院後の子供と生活を共にするハードルは高く、結局実家に避難。
子どもは思いもよらない先生の思い付きで、自宅に3週間帰れなくなった。
そんな状態なので、まったく生き物を飼える環境になかったのだ。
けれど、これでひとまず手術の予定はなくなった。(たぶん)
ずっと調べることだけ続けてきた猫ライフ。うきうきとしながら子供にどの猫がいい? と聞いたところ「ポメラニアンがいい」と返ってきた。
えーっと、猫じゃなくてそれは犬。
さらに夫まで「犬ならコーギー、譲れない」とのたまった。
結局犬派の我が家だが、最終決定権は私にある。なぜならば犬でも猫でも世話をメインでするのは家にいる私。一番長く一緒にいるのも私。私は私のための私の猫が欲しいのだ。
本に戻ろう。作家さんたちの物書きのスタンスやポリシーなども垣間見れる上に、外猫から洋猫まで様々な物語を背負った子たちが登場する。
中でも保坂和志さんの「世界を説明するための入り口が僕にとっては猫なんだ」がいいなと思った。私も猫という世界の入り口が欲しい。
そして養老孟司さんのまるで「スコ座り」という用語を知った。猫は未知の世界。いつお迎えできるのか、もうしばらく時間がかかりそう。
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