美少女と戯れるモブ
俺と柏は自動販売機に着く。自販機の近くには何人か生徒がいて柏を見ている。その横にいる俺については興味がないようだ。
「ねえ多々良くん、奢って」
「嫌だって言ったろ?自分で買えよ」
「むー、ケチ」
さっきから奢れ奢れと隣からうるさい声が聞こえる。奢れと言われても自分用のお金しか持ってない。
諦めていないのかその可愛い頬をプクッとふぐみたいに膨らませている。
この学校の自販機にはお茶や水はもちろん、エナドリなど誰が買うのかわからないものまである。お値段なんと200円する。これが一番高い飲み物である。
さっきから見てくる柏を無視して150円を自販機に入れようとすると自分が飲みたいもののボタンを連打しているバカがいた。
「連打すんな」
「へっへ〜ん!これで君は奢らないといけなくなったね!」
「なんで一番高いエナドリ連打してんだよ!」
「奢られるならやっぱり高いものかな〜って」
前は高嶺の花、頭がよく近寄りがたい空気を出していたのだが、今はただのアホにしか見えない。俺の中にある柏へのイメージが崩落していく。
「はぁ・・・分かったから連打やめろ。奢るって言っても高いのはだめだ、100円やるからこれで我慢しろ」
「やった!じゃあこれ!」
「100円って言ったよな?この缶類な」
「む〜!ケチ!」
「奢ってやるだけマシだろ、ほら選べよ」
「じゃあこれ」
自販機が吐き出した缶を渡すと、早速缶のステイオンタブを引っ張り開けて飲み始めた。良い飲みっぷりをしていた。
柏の方を見ていたら俺と缶を交互に見ると
「飲む?ちょっと口つけたけど」
「い、いやいい・・・」
頭がいいアホになぜだか恥ずかしいので断る。
「もしかしてさ、多々良くん恥ずかしいの?そうだよね、間接キッスしちゃうもんね」
ニヨニヨしながらこちらを見るアホは明らかに俺をからかっている。その時俺の心に火がついてしまった。
それなら乗ってやろうじゃねえか、その提案に・・・!!
「じゃ、じゃあ、もらおうかな〜・・・?」
「え」
俺が冗談でそう言うと驚いた顔をして目を見開いた。少し顔も赤くなっている。俺からカウンターされて動けずにいた。
「ほら貸せ」
「あ・・・」
柏が一口飲んだ缶を無理やり奪い取り飲んだ。無理やり奪われた缶を見てずっと「あ・・・?え・・・?」と困惑していた。というか言葉が出ないのだろう。
「ふう、上手いなこれ、じゃあ戻るか・・・」
「・・・逃さないよ多々良くん!君のも一口頂戴!!」
走って逃げようとする俺の袖を掴み、俺の飲み物もくれと言う。
「は、は!?なんでだよ!?」
「私のはあげたのに自分のは飲ませないつもりなの!?ひどいよ!」
「で、でもだな!一口飲んだし・・・!」
「貸して!!」
隙を見て俺から飲み物を奪い取り、飲んだ。
「ちょ・・・っ!!返せ!!」
「はい、返すよ・・・」
頭がいいアホは今まで見たことないくらい顔を赤くしていた。
あとがき
あとがきに何を書くか迷っています。何かあるかな・・・?
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