第12話 再会

「おじいちゃんも友達もおしゃれだったんだ。」

「おじいちゃんは、知っているんだろうと思うけど、昔中国で付き合っていた人いま日本にいるみたいよ。」

「ブティック やってるおばさんのお母さんが日本にいるってこと?」

「おばさん お母さんの面倒見てるみたい。」

「おじいさんもそれは当然知ってるよね。」

2人は顔を見合わせた。

「終わってないんじゃないの?」

「いくら何でも それはないんじゃないかなぁ。」

「日本にいるんだから おじいさんも当然あってるよね。」

「それはそうよ。」

「でも、もう恋じゃないんじゃ、2人はただの友達として時々あって昔話してるだけなんじゃないの?」

「まあ、それならいいんだけど。」

「何よ、満州での恋がまだ続いてるって言うの?」

「それは分からないけど絶対に違うとも言えないでしょ。」

「2人とももう60過ぎの老人よ!」

「今の60歳は若いよ。」

裕子は少し不安げな様子をした。

「バカなこと言わないでよ。」

「冗談だよ 冗談。」

「冗談じゃないわよ全く。」

裕子は不機嫌な顔でまさる を睨んだ。

「老いらくの恋って怖いんだぜ。」

「何よそれ。」

「老いての恋は恐るるを知らずってね。」

「やめてよ!」

「冗談だよ 冗談。」

2人の恋は本当にもう終わったんだろうかとまさるは思った。あれだけ激しい恋が時が経ったとはいえ完全に終わってしまうものなんだろうか。恋が終わっても二人が惹かれあっているのは変わらない。そういう意味では終わったとはいえ恋に完全な 終わりなんてないのかもしれない。

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