第4話 白い花の君
僕たちは 玄関前で子供たちを待つ間 日差しを避けて木陰に入った。文子さんは新しく買った 秋物のセーターを着ていた。
新しいセーター よく似合ってますね。
秋冬物って暗い色が多いから、思い切って 白色にしてみました。
あやこさんは嬉しそうだった。白いセーターが 文子さんをいつもより明るく見せて、楽しげに微笑んだ 文子さんは白い花のようだった。
本当に愛らしい人だなと 僕は 改めて文子さんのことをそう思った。木陰は涼やかでかすかに 秋に咲く花の匂いがした。これは 文子さんの匂い なんだろうか。そうかもしれない。若い 文子さんは 香水のようなものは何もつけていなかったが、花のような彼女は自ら花の香りを出すのかもしれない。Yは幸せだった。花のような彼女と、こうして一緒に働ける自分が、本当に幸運な人間に思えた。
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