夏のヤツぴよんと跳ねて雲わたりあっかんべぇしていっちまったよ

遠闇とうやみにかがり火あかく燃えているぼた雪がまた塗りつぶし暮れ


寒さ勝つ冬寝床にて読みかけの本を手繰れば時間が溶ける


ぬくかろう布団の中は温かろう棺のなかもさぞ温かろう


クマを見に行こうと君が連れて来た自由に触れろ熊放題だ


給金は欲張りませんあればいいネコ一匹を養うくらい


夏のヤツぴよんと跳ねて雲わたりあっかんべぇしていっちまったよ

 

秋空の所以ゆえんの分からぬ寂しさに意に介さずと燃ゆる柿の黄


これじゃ仕事に行けないよだって猫が膝の上で寝るんだもの


為人ひととなり違っているが当たり前失念するが心も同じ


立ち止まりベルトコンベア振り向けば春夏秋冬運んでしまう


寂しくて宇宙の塵を集めては君に見立てておしゃべりしてる


早起きを君のせいにし愚痴る僕今は冷たい部屋があるだけ


ピンポーンドっドッドッドピンポーン春夏秋冬お持ちしました


食欲の化け物どもめこうやってきっと世界は滅びるのだよ


使われ方で名前は変わる打ち上れば花火落とせば爆弾


ボランティア死にたいヤツの命をさ欲しいヤツにさ配ってやれよ


目玉めんたまが流れ出るほど泣いてるよそれが君のでこれが私の


換気扇内から外へごーごーと引きずり出すわ私も頼む


俺の気持ち分かるかい調べてよいつもいじっているその機械で


夜空にひとすじ続いた細い雲君が流した涙みたいだ






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短歌 徒然なるままに 語理夢中 @gorimucyuu

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