嫉妬と独占と依存についての調査記録

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　通話記録、その二。

「……ぅん、んーん、ん……どうしたの？」

「あ、ナツキ。こんな朝早くからごめん。えっと、今どこにいるの？」

「……あー、ネットカフェ、だよ。うん」

「……ナツキ、昨日、一度も家に帰ってないよね」

「そうだけど……」

「さっき、そっちの家、というか、僕の家からナツキの家に電話がかかってきたんだよ。息子がそっちに行ってませんかって。それで、ナツキがどうしてるのか気になって」

「あー、ごめん、親に連絡するの忘れちゃってて」

「今度からは気を付けてね。うちの親、心配性っていうか厳しいっていうか、その、子離れができてないから」

「うん、気を付ける。ホントにごめんね。あとで私が適当に言い訳しとくから、リョウくんはもう心配しなくていいよ」

「そっか。ありがとう……」

「うん………………。もう切るよ？」

「あっ、ちょっと待って！」

「なに？　どうしたの？」

「あ、その……ナツキ、のほうは、急に僕の身体になって困ってることとか、何かない？」

「んー、今のところは大丈夫かな。っていうか、そんなのリョウがいちいち気にする必要ないよ」

「気にするよ。一応、彼氏、なんだし……」

「……………………うん、そうだよね」

「そ、その……、だから、僕のことも少しは頼ってほしいっていうか……」

「うん……」

「……ね、ねぇ、ナツキ。あのさ……、僕に秘密で、何か危ないこととかやってたりしないよね？」

「危ないことって？」

「その……、さっ……、いや、犯罪行為、とか、そういうの？」

「いきなり何？」

「あっ！　いやっ！　その、信用してないとかじゃなくて、ナツキが最近思い詰めてることが多いように見えたから、その……」

「私が犯罪なんかしてるわけないでしょ。変な想像しないでよ」

「あっ、そうだよね。ごめん、変なこと言って……」

「……リョウ、本当に私の部屋のものは何も触ってないよね？」

「……そ、それは、そうだよ。本当に、触ってないよ」

「そっか。じゃあもう切るよ？」

「うん。じゃあ、また……」