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通話記録、その一。
「……どうしたの?」
「あっ、ナツキ……。その、さっきの昼休み、根尾と何を話してたの?」
「……別に何も、大したことは話してないよ。いつも通りだったと思う」
「あ、あの……根尾が、さ、ナツキについて何か言ってなかった?」
「あー……まあ、うん」
「……そ、その、ごめん!」
「なんで謝るの?」
「その……、根尾が、ナツキを狙ってるってこと、もっと早く僕の口から説明しておくべきだったよね。でも、僕、ずっと言えなくて……」
「謝らなくてもいいよ、そんなこと。私は大丈夫だから。どうせ事前に言われていても何も変わらなかっただろうし」
「……ナツキ。根尾のことは、僕がなんとかするよ。だから、その……今はあんまり根尾に近づかないでいてくれるかな?」
「リョウはさ、いつも根尾と二人で私の話をしていたの?」
「えっ? そ、そうだよ。根尾はナツキ以外には全く興味ないから、ずっとナツキの話をしてたよ」
「そっか。リョウ、今日は授業終わったらすぐ帰っちゃいなよ。慣れない私の身体で一日過ごして、疲れたでしょ。もちろん帰るのは私の家に、ね」
「あ、う、うん。ナツキも今日は早く帰りなよ。うちの母さん、心配性だし……」
「わかった。じゃあまたね」
「うん……」
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