エイプリルフールネタ
魔法少女マジカル☆ベリーReincarnation
戦争シーンは描写が大変、残酷なシーンは教育によくないなどの理由があり、『少女の望まぬ英雄譚』は打ち切りとなりました。
四月一日からは『魔法少女マジカル☆ベリーReincarnation』をお楽しみください。
……というくだらないエイプリルフールネタでした。
キャラ崩壊などありますので、気になる方は飛ばしてください。
文化祭を目前に控えた秋の日。
セレネは生徒会からの帰り道であった。
疎らに浮かぶ雲と、寒々しい銀色の月。
人気のない閑静な住宅街を抜けた先――左手に見えるのは木々が鬱蒼と生い茂る、少し夜には不気味な公園。
毎日のことながらここを通るのは苦手で、普段は早足にここを抜けるのだが、
「――わたしは蔓延る悪を滅するもの。魔法少女、マジカルベリー参上です!」
聞き覚えのある声と、単語。
その日、公園にセレネが足を運んだのはそういう理由であった。
『魔法少女マジカル☆ベリーReincarnation』プロローグ
セレネの部屋のカーペットの上。
フリフリピンクのゴスロリ衣装を着ながら正座をしているのは、この家で働くセレネの叔母であり、家事手伝い有賀ベリー(28)であった。
彼女の右手にはこれまたどぎついピンクの魔法少女ステッキらしきものが置かれており、スカートは腿上――妙に露出の多い衣装。
豊かな胸元から覗く谷間、肉付きの良い太ももはなるほど、大きなお友達には好意的な目で見られるのかも知れないが、控え目に言っても大分際どい。
三十路を間近に控えた人間が着るにはかなり痛々しい衣装であった。
「あ、あの、お嬢さま……ひとまず着替えたいのですが……」
「話が終わるまではそのままよ。好きで着てるんじゃないの?」
「うぅ……」
そんな衣装に身を包む彼女は顔を真っ赤に目を潤ませ。
見ようによってはセレネ以上に幼く見える可憐な叔母はしかし、その実二十八歳。
何をどう好意的に見ても、魔法少女の格好をして公園で遊ぶことが許される歳ではない。
――由々しき事態であった。
彼女の奇行が近所の人に見られていたらと思えば背筋が凍り付く思いである。
何もない虚空に向かってマジカルスパイス、マジカルフライパン、などと声高に叫びながらステッキを振り、公園を走り回る姿は狂気の沙汰。
どこをどう見ても真っ当でないことは確かであった。
「わたしもね、ベリー。あなたに迷惑を掛けてるとは思う。それはまぁ、ストレスも溜まってるのかも……何かとあなたに頼ってしまうわたしも悪いと思うわ」
嘆息し、額を押さえる。
母が早くに亡くなって――ベリーはそんなセレネの親代わり。
すぐにでも相手が見つかるであろう彼女が恋人も作らず、結婚もしない理由はきっとそこにあるのだということは分かっていた。
「それにわたしも、そういう趣味自体を責めるつもりはないの」
「えと、お嬢さま……」
そんなベリーの優しさに甘えていたのは事実――彼女が息抜きにこんな衣装を着て魔法少女ごっこをしていたというのは驚きであったが、誰しも人に言えない秘密の一つや二つは持っているもの。
それで軽蔑などはしないし、彼女に対する気持ちに一切の変化はなかったが、しかし。
「……正直に言って。もしかして、その、パソコンで変な写真を投稿したり、その……そういう格好で写真を撮られに行ったりとかしてな――」
「し、してませんっ!」
家の中で楽しむだけでは満足出来ず、限度を超えてしまったのだろう。
不安だった。
尊敬する姉のようにも思っていたベリーがストレスのあまり、取り返しのつかないことをしてしまっているのではないかと。
「本当? パソコンの……えすえぬえすとかいうのに、そういうえっちな写真とか――」
「してませんっ、お、お嬢さまは勘違いを……違、違うのです。本当にそういうのではなくて……」
否定する声に、セレネは真っ直ぐベリーを見た。
「……そういうのでないなら、どういうことなの? 控え目に言ってもベリー、あなたがやっていたことは正気とは思えないわ」
「っ……」
ベリーは視線を泳がせた。
そして虚空を見ながら、囁くように誰かに語りかけ始める
「クレシェンタ様、よろしいでしょうか? ……え? でも……こ、このままではわたしが変態みたいに……あの、お、お嬢さまは口の堅い方ですので……」
――あ、これ本当にやばいやつだ。
セレネは確信する。
コスプレしながら公園で魔法少女ごっこの次は、架空のお友達とお喋りである。
恐らく、セレネの知らない間に彼女は踏み込んではならない領域にまで行ってしまったのだろう。
様々な後悔が頭をよぎった。
どうして早くに気付いてあげられなかったのか――咄嗟にセレネは彼女の体を抱きしめる。
「お、お嬢さま……?」
「……ごめんなさい、ベリー。わたし、あなたをそこまで追い詰めてただなんて知らなくて……本当にごめんなさい」
綺麗で、可愛くて、憧れのお姉さん。
そんな彼女をこんな風にしてしまったのは、きっと自分なのだろう。
「お嬢さま、本当にそれは誤解――」
「いいの! ね、明日は学校を休んで付き添うわ。一緒に病院に行きましょう?」
「うぅ……で、ですから……その……」
「そういうのを認めるには勇気がいるって言うけれど……大丈夫。わたし達はあなたの味方だもの。何年だって付き合う――」
言葉の途中、部屋を満たすは目映い光であった。
え? とその目映さにセレネは目を閉じ――
「な、何してますの!? わたくしは許可してませんわ!」
「で、でもクレシェンタ様、本当にちょっと、この状況はわたしも限界で……」
「何が限界ですの! 最低ですわ! わたくしの高貴な姿をこんな下等生物に見せるだなんて!」
目を開いて目にしたのは小さな蝶――いや、妖精のような何かであった。
掌サイズの小さな体をドレスに包み、赤に煌めく金の髪。
謎の生き物はベリーの顔の前をぶんぶんと蝿のように跳び回り、眉を吊り上げ癇癪を起こしたように甲高い声を張り上げている。
「あ、あの……? ベリー?」
「こ、コスプレでも、魔法少女ごっこ、でもないのです。その……わ、わたしは本当に悪と戦う魔法少女というべき存在で……」
「あー! 言いましたわね! 絶対秘密って約束を破りましたわね! あなたなんか魔法少女失格ですわ! ぜーったい許しませ――むぐっ!?」
ベリーは妖精らしき少女を掴むと、じたばたともがくそれを眺めながら嘆息した。
そしてセレネに視線を向ける。
「話せば少し、長くなるのですが……」
事は十四年前、丁度セレネが生まれた頃にまで遡る。
十四歳であったベリーの元に突如訪れたのは妖精の国の姫クレシェンタ。
妖精王の命を奪い、妖精界と地球侵略を目論んだ魔王ギルギルの野望を阻止するため、ベリーは彼女に頼み込まれる形で魔法少女になったらしい。
それからは長く険しい戦いの日々――クレシェンタに与えられた魔法の力でなんとかギルギルを封印したのは良かったが、しかし数日前に再び妖精の国の女王となったクレシェンタが彼女の前に現われた。
なんでも妖精の国に悪の心が蔓延り、魔王の封印が解けかけているらしい。
それと時を同じく、人間界にも再び悪の心から生まれた魔物達が現れ始め、悪の七柱なる魔王の幹部が地球に住む人間の心を悪に導き、その力によって魔王の封印を――
「そ、そう……もういいわ。なんだかお腹いっぱい」
「わ、わたしも好きでこんなことをお話しているわけでは……その、確かに十四歳の頃はちょっと、使命感に燃えたりだとか、そういうのはあったのですが……」
心底恥ずかしそうに顔を伏せ、消え入りそうな声でベリーは告げる。
妖精の国、魔王、封印、悪の心。
確かに三十路前の女性が口に出すには中々のパワーワードであった。
「何もかもあなたが適当な封印を施すからですわ。全部全部あなたのせいですの!」
「……申し訳ありません。こんなことにはならないはずだったのですが」
暴れまわりベリーの手から抜け出した羽虫――いや、妖精の国の女王、クレシェンタが告げる。
わたくしはご立腹と言わんばかり、やたら偉そうな生き物である。
「まぁ、信じる信じないはひとまず……その封印とやらが緩んだことに心当たりはあるの?」
「ありませんわ。この胸ばかり大きな無能が手を抜いたせいですわね」
「はぁ……一応、妖精の国の方々の力を束ねて、魔王ギルギルを封印したのです。わたしとクレシェンタ様、二人に悪の心が宿らなければ、その封印が解けることはないはずなのですが……」
「悪の心……」
じーっとクレシェンタを見つめ、セレネは眉を顰める。
「……なんですの? 下等生物の分際でわたくしの美しいかんばせを覗き見ようだなんて、百年早いですわ無礼者」
むしろこの生き物に悪を許さない正義の心などというものがあるのだろうか。
見た目こそ美しく見えなくもないが、なんと醜悪な生き物があったもの。
この羽虫はどこをどう見ても善良なる生き物には見えない。
「あの、具体的に悪の心って何?」
「ああ、ほら、いわゆる七つの大罪というものですね。傲慢、憤怒、嫉妬、怠惰、強欲、暴食、色欲とかいう……」
「……マジカルベリー、そんなくだらない話よりもわたくしへの持てなしはまだなのかしら」
「あ、すみません。えーと……これでよろしいでしょうか?」
ベリーはポケットから袋に入った手作りクッキーを取りだし、クレシェンタに差し出す。
クレシェンタは不機嫌そうに眉を顰めた。
「わたくしに割って食べろと?」
「いえ。ええと……」
彼女の顔より大きなクッキーを小さく割って、クレシェンタの口元に。
クレシェンタは不機嫌極まりない様子でそれを口にし、ハムスターのように頬を膨らませた。
「むぐ、今日もまぁ、無能なあなたにしてはわるくないですわ……」
「ふふ、良かったです」
ベリーはそのまま餌やりを続け、セレネは呆れたようにその羽虫を見る。
やたら偉そうである。
怒りっぽい。
何やら胸にコンプレックスがあるらしい。
見るからに怠惰である。
食い意地も張っている。
「それから、明日は雑魚狩りじゃなくて大物を狙いに行きますわよ」
「え、えと……もう少し戦力を削ってからの方が――」
「明日はわたくしの運営するフェアリー放送のカメラが入りますの。あなたの活躍を多少見せておかないとスポンサーから予算がおりませんわ。折角あなたを魔法少女として使うんですもの、今のうちに稼いでおきませんと……」
強欲である。
「またカメラですか? あの、正直足元を飛び回られると気になって、戦いに集中出来ないのですが……」
「何を言ってますの。魔法少女はあなただけじゃないのですわ。ただでさえアルベラン女王とマジカルベリーの失態で封印が解けかかっている、だなんて言われてるんですもの。もう少しお色気要素を加えてマジカルベリーへの関心を惹かないと……あなたの無駄な贅肉の見せ場ですわ」
「あ、あのですね……」
「……もう少しマジカルバトルドレスも改良して露出を増やそうかしら」
「……クレシェンタ様、あまりに酷いとわたし、戦いませんからね?」
傲慢、憤怒、嫉妬、怠惰、強欲、暴食。
羽虫は七つの内六つを備え――
「……ベリー、大体この子で悪の心はリーチじゃないの?」
「あ、言われて見れば……」
「ひとまずこの子を始末してみれば……その、なんだっけ、悪のななちゅーとかいう幹部も消えたりするんじゃ――」
「馬鹿な事を言わないでくださいまし! わたくしのどこに悪の心が――」
慌ててクレシェンタが逃げだそうと天井まで跳び上がり。
「セレネ、ベリーもいるんですか?」
そんなタイミングで扉を開けて顔を覗かせたのは義理の妹、クリシェであった。
美しい銀の髪を揺らして首を傾げつつ、わたしを見て、それからベリーを見て。
そしてその視線は空を跳び回るクレシェンタに。
彼女はじっとクレシェンタを見つめ。
クレシェンタもまた硬直したようにクリシェを見つめ。
「……どうして、おねえさまが」
――羽虫は呆然と告げた。
その顔に浮かぶのは困惑であろうか。
何かに似ている、と思ってはいたが、よくよく見比べるとその顔は丁度クリシェにそっくりで、同じく首を傾げたベリーと顔を見合わせる。
おねえさま、というのはどういうことか。
「ああ、何を騒いでいるのかと思えば……」
じっと羽虫を見つめていたクリシェもぽん、と手を叩くと微笑を浮かべ。
「――おねえさまっ!!」
それに対し、大きく羽ばたき、両手を広げてクリシェに向かったクレシェンタ。
「ちょっと待っててくださいね。すぐに持って来ますから」
しかし彼女の眼前でパタンとドアが閉じられ、
「ぅぐっ!?」
――クレシェンタはその扉に激突、額を押さえて落下し地べたを転がり回る。
扉の向こうでぱたぱたと、クリシェがどこかに駆けて行く足音が聞こえた。
「く、クレシェンタ様……だ、大丈夫ですか?」
慌ててベリーがその体を両手で優しく持ち上げると、クレシェンタは額を押さえつつ困惑を露わに涙目を泳がせる。
「ど、どうしておねえさまが下等生物に混じって……」
「えと……おねえさま、とはクリシェ様のことでしょうか……?」
「こちらでは、そういうお名前ですのね。妖精の国を追放された、わたくしの生き別れの姉ですわ……まさか、人間などという下等生物にその身を堕とされていただなんて……」
「……さっきから下等生物下等生物ってうるさいわね。そう言うあなたなんて虫みたいなものじゃないの」
クレシェンタはベリーの手から飛び上がると、その紫の瞳でセレネを睨み付けた。
「聞き捨てならない言葉が聞こえた気がしたのですけれど。虫……とはわたくしのことを言いましたの?」
「この部屋に虫なんてあなた以外の誰がいるのよ」
「お、お嬢さま……落ち着いてください。クレシェンタ様も……」
「黙りなさいマジカルベリー。この無礼者には少し、立場と言うものを理解させなければなりませんわ」
クレシェンタの周囲に扇風機程度の風が渦巻き、バチバチと静電気のようなものが空中走る。
セレネが指を伸ばすとびりびりと少し指が痺れた。
魔法っぽいものは使えるのかとわりと素直に感心しながらそれを眺め――しかし彼女が何かをするより早く、再び部屋の扉が開く。
「っ、おねえさま……!?」
それに気付いたクレシェンタは慌てたように風と電気を止め、背後を振り返る。
缶を手にしたクリシェはじっと、彼女の妹らしい羽虫を眺めたが、
「なんだか変な虫ですね」
そこに感動はなく、彼女は無造作。
「ひ――っ!?」
持って来た殺虫剤を、羽虫に向けて吹きかけた。
こうして世界は平和に――
「クレシェンタ、普段からいやらしいことばっかり考えてたりしないの?」
「うぅ……そんなこと考えてませんわ。妖精の国の女王に向かってなんて質問しますの、下等生物の分ざ――だ、だめですわっ、そ、そのよく分からない缶をぷしゅーってするのはだめですわ!」
「おかしいですね、七つの悪でわたしたちの心が満たされない限り、封印は解けないはずなのですが……わたしも心当たりなどは――」
「えへへ、どうしました? ベリー」
「な、ないのですが……」
「ちょっとまって、すごく怪しい反応よあなた」
――なるわけではなく。
これが、セレネ達にとって長く苦しい戦いの始まりであった。
「――わたしは蔓延る悪を滅するもの。魔法少女、マジカルベリー参上です!」
「えと、えへへ……魔法少女マジカルクリシェですっ」
「……ま、まほーしょうじょ……まじかるせれね、参上……」
「マジカルセレネ、声が小さいですわ! 叫ぶ声の大きさと意志が強さに変わると何回説明したと思ってますの!」
「う、うるさいわね! あなたはちょっと黙ってなさい!」
ベリーだけにそんな危ないことはさせられないというクリシェの声。
それに付き合わされる形でセレネも魔法少女になり、
「がはは、貴様らが噂のマジカルアルベランか。俺はセブンシンズが一人、『暴食の――」
「マジカルびゅんびゅん」
「ぐぇっ!?」
「お、おねえさま駄目ですわ! 名乗り口上はちゃんと聞かないといけないルールですの! ……ちょっと、カメラを止めてくださいまし」
「……そういうルールなんですか?」
「そうですわ。それに多少苦戦してるように見せないと視聴率――いえ、そうですわね、こういうボスのトドメは元妖精のおねえさまではなく、人間のマジカルベリーやマジカルセレネが刺さないといけませんの。でないと倒したことにならないのですわ」
「ん……何やら難しいですね」
この過酷な戦いに身を投じることになったのだ。
「……ねぇベリー、わたしっているのかしら?」
「え、えと……三人組の方がスポンサ、い、いえ、妖精の国の方々が喜ぶそうで……」
「……なんだか妖精の国を滅ぼした方が世界平和に近づく気がしてきたわ」
世界の平和を乱す、凶悪なる魔物達。
視聴率を求め足元を飛び回る、邪悪な羽虫達。
「えーと……じゃあ暴食の……なんでしたっけ、とりあえずマジカルおっき」
「ぅ、お……何が……?」
「何かありましたの? こちらの油断を誘っているのかしら。……現われましたわね、セブンシンズ!」
「ん? うーむ……まぁ良い。貴様らが噂のマジカルアルベランか――」
視聴率を守りながら平和を追い求める戦いは今、始まったばかりであった――
続かない。
――女王陛下による親切な用語解説。
・妖精
妖精の国に住む、美しい羽を持った真なる霊長ですわ。
極めて高度な魔法を操ることが出来るのですけれど、魔法を信じない下等生物の蔓延る地上では力が制限されてしまいますの。
わたくし、妖精の国に戻れば指一本で嵐を起こせますのよ。運が良かったですわねセレネ様。あなたのような無礼者と出会ったのがこの低俗な地上でなければ――待ってくださいまし! ぷしゅーしちゃ駄目ですわ!
・魔法少女
地上で力を振るえない妖精が、地上での活動の際使役する羽なしの下等生物……つまりあなたたちのことですわ。
本来牡でも牝でも良いのですけれど、ほら、見栄えというものがあるでしょう?
羽なしであることを除けば肉体的には妖精に近い体をしてますもの。当然牡より見た目の良い牝のほうが視聴――いえ、国民からも指示が得られやすいのですわ。ちょっと、何睨んでますの。その分老化が遅くなったりだとか、あなたたちにもすごくメリットがありますのよ。
わたくしの王国アルベランではフェアリー放送が認める魔法少女しか魔法少女として認められていないんですけれど、違法な紛い物の魔法少女がいっぱいいますの。
『魔法少女マジカル☆ベリーReincarnation』では違法な魔法少女との関係も見所――ということにしてますし、適当に雑魚を退治したらそっちとも戦ってくださいまし。
あ、おねえさま駄目ですわっ、グロテスクなのは不人気ですの! 魔法少女同士の戦いは大昔から、服を破いた方の勝ちだというルールがあるのですわ!
・魔物
あなたたちの邪悪で低俗な欲望から生まれたエネルギーを使って繁殖する生き物ですわ。
人型、機械型、獣型など種類はそこそこ……欲望によって分かれるのですけれど、面倒くさいので割愛しますわね。
あなたたちに倒して欲しいのは中でも特に触手型。
妖精の国でも触手型魔物に対する関心がとても強いのですわ。そっちを優先に……あ、でもこういう小さくて弱い個体を狙うのは駄目ですわよ? 成長した大きな触手から倒していかないと……え? 見逃す理由がない? 養殖してるみたい? 馬鹿な事を言わないでくださいまし、そんなことありませんわ! わたくしは正義のために……だ、駄目ですわ! その子はまだ幼い触手で――
――魔法少女マジカルアルベラン
○マジカルベリー(28)
表の顔は家事手伝い、しかしかつては魔王ギルギルを封印した伝説の魔(法少)女。
独自の戦闘法――マジカルメイドクッキングにより魔物を鮮やかに料理する。
妖精の国では小さなお友達から大きなお友達まで大人気。フェアリーネット上の画像にはやたらとピンチシーンの映されたものが多く、小さなお友達と大きなお友達で応援する側が違う。
Reincarnationになってから大人の魅力も増し、その復帰を喜ぶ声も大きいが、強さに安定感も増してしまいマンネリ感が漂うとの声も。
・普段
年中和服と割烹着を着てるちょっと変な人。
愛想が良くご近所ではお屋敷のベリーさんと有名。老人受けがとても良い。
スーパーやコンビニよりも商店街を好んで利用するが、基本的にはデジタル思考。
見掛けによらず株取引で随分稼いでいる。
趣味は料理で調理器具コレクション。
無駄に取得資格が多いが有効活用はされず、色々勿体ない。
・得意魔法
――マジカルフライパン
魔力で作った高温を発する巨大なフライパンで殴打する。相手が人型の場合R-18Gとしてモザイクが掛かる事が多い。
――マジカルスライサー
魔力で作った巨大で鋭利な包丁で鮮やかに敵を切り刻む。相手が人型の場合R-18Gとしてモザイクが掛かる事が多い。
――マジカルミキサー
魔力で作ったミキサー内部に相手を閉じ込め挽肉にする。相手が人型でなくともR-18Gとしてモザイクが掛かる事が多い。
――マジカルスパイス
魔法のスパイスで場を満たし視界を奪い、相手が生物系の魔物であればその呼吸を困難にし、場合により窒息死させる。絵面が地味な上、彼女の姿が見えにくくなるため不評。
○マジカルクリシェ(13)
かつて追放された妖精の国の姫君ではないかと噂の新たな魔法少女。
その容姿と無自覚なサービス精神、圧倒的な魔法少女としての実力から熱心なファンがいるが、彼女が出ると戦いが一方的になるとの声も強く、魔物は彼女がいない時を狙うべきなのではないかという声がフェアリーネット上では主流。
基本的に大きなお友達からは不人気だが、二人との日常シーンでは大きなお友達からの人気は高いため、魔法少女としたのは女王の失策だったのでは、という声も大きい。
最近はあまりに強大な力のため使う度に寿命が縮むという設定が追加され、マスコット化している。
・普段
私立望英中学校の二年生。
義両親が交通事故で亡くなったのを切っ掛けに縁あってクリシュタンド家へ。
書類上の保護者は義祖父我連、元は施設の孤児であったらしい。
何でも出来る天才美少女。普段は無口だが性格は子供っぽい
断れない性格でよく部活動の助っ人として短期入部することが多いが、転校前は何やら怖がられていたらしい。
家に帰ると基本的にベリーの側を離れない。キス魔。
作者の気持ちを考えられないため国語の点数が微妙に低い。
・得意魔法
――マジカルベィン=ビューン(古き言葉で鋭い貫きを示す)
魔力で作りだした巨大な槍をマッハ7で投擲する。相手は死ぬ。
――マジカルバゥムジェ=イラ(古き言葉で膨らむ衝撃を示す)
空へと舞い上がり、魔力で作りだした爆弾によって爆撃を行う。相手は死ぬ。
――マジカルジャレィア=ガシェア(古き言葉で勝利の鉄を示す)
戦闘人形を無数に生みだし、数で押し潰す。相手は死ぬ。
――マジカルおっき
時間を逆転させ相手を蘇生させる。放送NG。
○マジカルセレネ(14)
マジカルベリー、マジカルクリシェに続く新たな魔法少女。
才能に光るものはあれど経験が不足、強大な敵には追い詰められることが多い。
しかし不思議とそんな姿が人を引きつけるのか、大きなお友達には彼女に魅了されたファンが急増中。ギリギリの際どい戦いを全力で演出する姿に惹きつけられた者が多く、最近では安定感あるマジカルベリーよりも彼女の戦いを希望するものも多い。
マジカルアルベランでは唯一の正統派。
・普段
私立望英中学校の三年生で生徒会長。
漫画のような容姿端麗金髪令嬢、努力家で性格も良く文武両道。
完璧という言葉を人の形に置き換えたような存在であるが、実際は頑固なアナログ思考で大雑把、精密機器の扱いが非常に苦手。
ベリーに説得され持たされたスマートフォンも持ち運び電話として用いており、インターネットは便利だけど怖くて危ないところだと考えている。
同級生、下級生問わず大人気だが、規則通り学校に携帯電話を持ち込まないため、誰も彼女のアドレスを知らず、露見していない。
・得意魔法
――マジカルソード
魔力で作り上げた長剣で敵を切り裂く。結構強い。
――露流火式マジカルソード&シールド
魔力で盾を作りだしシールドバッシュで相手を吹き飛ばす。結構硬い。
――座陰式マジカルソード
魔力でマジカルソードを伸ばし、相手を貫く。結構鋭い。
――マジカルスプレー
魔力で謎の缶スプレーを作りだし、敵の目つぶしを行う。クレシェンタへの誤射が極めて多い。
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