第148話 帝からの提案
銀月の客間に行き、大和様にお茶が出され休憩する。
私とリリアナもお茶をもらった。
休憩が終わると、大和様が話を切り出した。
「本当なら正式な場所で話をしたかったんですが…明日からは私は政務があるので話せなくなるのでこのような場を設けさせていただきました」
「それで話とは何でしょうか」
「会社の件とは別の話で、我が国に魔術師学校を作りたいのです」
「学校を…?しかも、魔術師の?」
「我が国では魔力を持っている者はいますが、そもそも我が国では魔法が普及しておりません。それに、魔法よりも魔術の方が得意なものが多いのです」
「ニーシャ国は魔法ではなく魔術の国にしたいと言うことですね」
「セレア様との交流もありますし、会社を作るにおいてそちらのほうが良いのではと思ってまして」
「…………それで魔術学校の先生はどうするのですか」
「セレア様をお呼びできたら良いのですが…流石にそれは無理でしょうから、セレア様推薦の魔術師を先生にしたいのです」
私推薦かぁ…。術棟の人を派遣するわけには行かないし、どうしよう。
……そうだ。こうしよう。
「あの、最初の方は私がニーシャ国に向かい授業をします。そこから優秀な人を先生にするというのはどうでしょうか」
「宜しいのですか?」
「はい。ですが、私がニーシャ国に迎えない場合は一人、ニーシャ国出身の部下を向かわせます。その人も王宮魔術師なので実力は確かですのでご安心ください」
「なるほど。感謝します」
私と大和様は契約書を書いて、この話を徐々に進めることにした。
私の部下には一人、ニーシャ国出身の者がいる。その部下は女性でリリアナとも仲が良い。
今は他国で調査をしてきている為、会えない。
あの人も癖アリの人だからなぁ。私の周りは何故こうもキャラが濃いのか。
ゲームの世界だからか?
にしても、ルーベン国からニーシャ国…結構遠いな。
そうだ。一回ニーシャ国に来た時、あのワープ鏡を持ってこよう。
そっちの方が移動は楽だからな。
ワープ鏡を置くなら学校が出来てからじゃないといけないんだけどもね。
「すみませんお二人の時間を邪魔してしまって」
「いえいえ大丈夫ですよ」
「夜中の蘭風祭もお楽しみください」
大和様はそう言って立ち去った。夜中の蘭風祭か………。風月祭と蘭風祭、昼と夜で名前が違うんだな。
私がそう思っていると、リリアナが私に話しかけてくる。
「確か、ニーシャ国にはシトリーという神様がいらっしゃるはずです。その方を祝うのが蘭風祭だそうですよ」
「風月祭は帝を祝い、蘭風祭は神を祝う…か」
帝は神のようなものというのを暗示しているのだろう。
江戸時代では帝及び天皇は神とは例えられていないが…まぁ完全に江戸時代という訳では無いし、違いがやはりあるな。
色んな人時代のものを組み合わせている感じがするな。
ごっちゃになるな。闇鍋みたいだ。
「蘭風祭は何があるのかな」
「色んなのがあるでござるよ。風月祭より豪華でござる」
「一回では周りきれないほどの屋台もでるから楽しみにしとくでありんす」
「一つ良い事を教えておくでござる。蘭風祭の時は全ての店の商品が安くなるでござる」
「そうなの?」
「蘭風祭は沢山の人が来るでありんす。という事は人が多いから値段を安くし、店を繁盛させようと企むのでありんすよ」
「銀月もそうでござる。気になる店があるならついでに行ったほうがいいでござるよ」
良い情報だな。そんなの教えて良いのか?まぁ、店が繁盛したら何でも良いんだろうかね。
私とリリアナは銀月を後にして、宿に一度戻って夜の蘭風祭に備える事にした。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
「つっかれたぁ〜!」
「セレア様…気を緩めすぎですよ」
「別にリリアナの前だし………」
「それは私の前だから気を緩むことが出来るという事でしょうか!?」
リリアナは興奮しながらそう言った。反応が怖い…こういう事は多々あるが慣れないよ。
急に反応するんだもん。オタクに向いてるよ多分。
「………そうだセレア様。旅行に来てから、まだ夜のお誘いを受けていないのですが……いつですか?」
「そう堂々と聞けるの凄いね。尊敬するよ…」
「えへへ」
褒められてると思ってるのか?そんな、夫だからって堂々としたいです!って言えるかな。
私は無理だよ?
「新婚旅行が終わったらね」
「旅行中は………無し…なんですか?」
「そんな悲しそうな顔しないで!ほら、おいで」
リリアナがしゅんと子犬のような顔をする。くっ………それは私によく効く!
私は負けて、リリアナを抱きしめる。
抱きしめていると、リリアナがゴソゴソと私の服の中に手を入れて徐々に胸の方に向かって手を伸ばしていた。
「ダーーーー!何してるのリリアナ!」
「してくれないなら、私からしようと思いまして」
「ダメダメ!っていうか旅行終わったらするって言ったじゃないか!」
「私は溜まってるんですよ!早く消化しないと夜中に勝手に襲いますよ!」
なーんでそう堂々と言えるかね!?凄いよ、訳が分からないよ!
そんな自信持って言うことじゃないから!
どこからその自信は出てくるのよ。
全く…私が寝てる時にずーっとキスしてくるのは知っているが、次は寝込みを襲われるのか。
安心して寝れもしないんですが?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます